episode5 ーSpell Collectorー
[9/9]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
、通った……。けど、ダメージは……どうかな?」
「っ!まさか!」
今更ながらに気づく。レンカの周囲を覆うように張られた不可視の障壁の存在に。
「その、まさか。私は、『攻撃の無敵化』を発動し、そのエフェクトでトールモンドからのダメージを0にしただけ。」
完全に勝利した、と確信したが故に見落とした、Dr.コレクターのミス。
「くっ……。1ターン凌いだくらいで図にのるな!お前の手札は0。次の俺のターンで必ずトドメを刺す!
カードを一枚伏せ、ターンエンドだ。」
Dr.コレクターの発言は、レンカにしてみれば、先の発言はレンカが次のターンでトドメを刺すと同義語である。
所謂、死亡フラグとか言うやつである。そして、折角建築してくれたフラグだ。きっちりと回収してやろう、と内心でほくそ笑みデッキに指をかける。
「私のターン……、ドロー!来たっ!」
自身の想いに応えてくれたデッキに感謝しつつ、レンカはこの長かった攻防に終止符を打つ為、最強の下僕を呼び出す。
「マジックカード『真紅眼融合』発動!
デッキの『真紅眼の黒竜』と『デーモンの召喚』を素材に融合!
黒き竜に宿れ、悪魔の力!融合召喚!『悪魔竜 ブラック・デーモンズ・ドラゴン』!」
神秘の渦から悪魔の如き黒き竜が呼び出され、レンカの想いに応えるかのように猛々しい咆哮をあげる。
「なん……だとっ!」
レンカの真の切り札、ブラック・デーモンズ・ドラゴンの効果を知ってか、Dr.コレクターは掠れた声を出し、そいつを見上げる。
「……バトル!ブラック・デーモンズ・ドラゴンでトールモンドを攻撃!
そして、墓地の『真紅眼の黒竜』をデッキに戻し、その攻撃力分のダメージを与える!
これで、終わり!《断罪の獄炎》!」
「ぬぉぉォォォ!!」
Dr.コレクターのライフに0が刻まれたことにより、両者の決闘に終わりを迎える。
「しょ、勝者!《漆黒の竜使い》……レンカだぁぁ!!」
二人の健闘を讃えるかのように、そして逆転に逆転の末に勝利をもぎ取ったレンカを賞賛するかのように観客全員から拍手が送られる。
◆◇◆
レンカが賞賛の嵐にいる中、舞台裏でその様子を見つめる影が一人。
「エクセレント、デース。素晴らしいデュエルでした、ガール。彼女ならこのカードの担い手に相応しい……。ふふっ、ボーイの選別は確かなようですね。」
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ