episode5 ーSpell Collectorー
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スポットライトが一点に集まり、一人の人物を照らし出し、観客がその姿を拝見した途端、野郎共のスクリームが響き渡る。
先日の孔雀 舞との一戦の後、シークレットとされていたうちの一つである性別が公表され、早速衣装変更の問い合わせが来るほど、レンカの人気は鰻上りになっていた。
そして、顔を見せていないとは言え、黒一色の味気ないフード姿から、少女の可憐さとミステリアス感を押し出した衣装へと一変した事実に会場は沸きに沸いた。
それはもう、この後のメインイベントであるプロ同士によるデュエルなんて忘れる程に。
スポットライトの中心で立ち尽くす当の本人はフードの奥で『もう帰りたい……』と涙目を浮かべていたりする。
阿鼻叫喚も時間とともに鎮火し、ようやくMCがナレーションの続きを話せるようになる事には、予定より10分以上遅れていたりする。
「(敵のモンスターを)粉砕!(相手のライフを)玉砕!(観客が)大喝采!と此処まで連戦連勝を続けてきた『漆黒の竜使い』レンカに相対するのは!アメリカのナショナル・リーグから参戦したこの男!!」
MCの相変わらずのナレーションに頭を悩ませていると、レンカとは真向かいに位置する地点にスポットライトが照射され、拘束具とも見てとれる服に身を包んだ大男が照らし出される。
「IQ200の大犯罪者!ドクタァァァァ、コレクタァァァァ!」
「ぬぉぉォォォ!」
雄叫びと共に四肢に力を込め、相当頑丈そうな拘束服を破りさる。
ほぼ上裸の格好になる肉体美を自慢したいのか、レンカへ向けてドヤ顔を決めるDr.コレクター氏。
レンカは服を破るくらいなら、着てくるな……と内心つっこむがそれも彼のエンターテインメントのうちなのだろうと渋々納得する。
「ほう、お前が最近シャバで名を上げてる決闘者か……。ドラゴン使いって言うからもっと凄い奴を想像していたのだが……。ふん、年端もいかないガキじゃないか。」
品定めするような視線に晒され、ゾクリと悪寒を覚える。だが、極力それを表に出さず、気丈にもフードの奥から睨み返す。
「ククッ、俺を前にして気圧されるどころか睨み返してくるか……。なるほどな。これも噂通りってやつか。中々に肝が据わっている。」
「…………。」
Dr.コレクターからの問いかけには無言を返す。
(噂で知ってるなら、極力話す事を避けているのも知ってるでしょ!話しかけてくるな!)
と、内心思っていたりする。
そんな態度のレンカに気を悪くするところか、むしろ愉しそうに笑みを刻む。
「久々のデュエルだ。せいぜい俺を楽しませてくれよ?」
そう言う間に決闘盤の装着、デッキのセット、決闘盤の展開の三行程が終了し、準備が完了となる。対するレンカも既に左腕には、ブラックデュエルディスクが通されて
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