episode5 ーSpell Collectorー
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プロリーグでのデュエルが開始される前、いつもの控え室には顔を赤らめ慌てた様子のレンカとそれをニヤニヤしながら眺める彼女のマネージャー 橘 楓が居た。
どうやら、先日変更された衣装に対し、文句を言ってるらしい。
「ちょっ!?ほ、ホントッにこれで行かなきゃいけないんですか!?」
「モッチのロンですよ!」
レンカは迷いなど全くもって感じさせない一言で一蹴されてしまい、肩を落とす。
かく言うレンカの今の格好は全身を黒いローブで覆い隠してはおらず、
下は太もも辺りまでの緋色のフレアスカートに、黒のハイソックスできっちりと絶対領域を作りだし、上はブラウスと色こそ黒や紺色ならば、学校指定の制服にもみえる衣装を着ている。だが、それとは不釣り合いと思える黒一色のポンチョを被り、顔を一切隠してしまっている。
楓曰く、『黒と赤の相性はバツグン。身長の低いレンカさんに最適なコーデ』とかなんとか。
「や、嫌ですよ!?こんな太もも出したスカートなんて!」
「え〜?いいんじゃないですかそれくらい。レンカさんの羨ましいくらい真っ白な肌が黒のハイソックスに映えてとっても妖艶な雰囲気を醸し出していますよ?」
「よ、妖艶?!わ、私まだそんな歳じゃない、です!」
当の本人は妖艶というワードで何を想像したのかフードの奥では耳まで真っ赤に染めあたふたと慌てる。盛大な自爆である。
早速此処には、凛々しく、そして冷酷に相手を屠る『漆黒の竜使い』レンカの姿はない。
「そ、れ、に!その表情がギリギリ見えそうで見えないフード!
幼気な少女がフードの奥ではどんな表情をしているのか……。それを想像するだけで私は白飯3杯はいけますよ!
「お、幼くないですっ!こ、これでも高校生なんですから!てか、後半どんな意味ですかぁ!」
「お、怒るところはそこですか?」
160cmにも足らない身長の事を指摘され、涙目になりつつ怒るレンカ。だが、楓にとってはそれすらも愛おしく思えてしまう。
ちらりと時計に目を移せば、そろそろ開始の時間が迫っていた。
パンッと一つ柏手を打つとその瞬間、和んでいた空気は消え去り、彼女とレンカの関係は年少と年長から、プロとそのマネージャーへと変わる。
「ご健闘を祈ります。」
恭しく一礼をする楓。
豹変したマネージャーの態度に若干戸惑いつつも、レンカも気持ちを入れ替える。
「……い、行って……きます。」
「……!はいっ!」
顔を真っ赤に染めつつ、蚊の鳴くような声で呟かれた返答に思わず俯くレンカを見つめてしまう。 だか、すぐに笑顔を咲かせ、もう一度彼女を送り出す。
◆◇◆
「さぁ!今宵もこの時間がやってきた!早速だが、今回の対戦相手はぁ!既に知らない人が居ない程に知名度を上げたこの決闘者!」
会場を照らす
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