6終回 冗談みたいに無名
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「キミノイウ、オワライブ『ッテノ』ニ、入ってやるよ」
「ホントか!?」
「アァ、イッショウナ、ヤク『ソクシ』テヤル」
「よっしゃーぁああ!」
米田 砂種は両腕を上げてピョンピョンと飛び跳ねた。
「やったぜえ!いや待てよ、これは、器械人形が部員の部ってもしかしてお笑い部だけ!?マジか?多分マジだよなぁ!」
「ゴロウガバスケ『ブニハイッテイ』ル」
「マジかぁ、一番乗りでもオンリーワンでも無かったかぁ……いやいやでもでもでもこれでお笑い部が正式に部になるぜぇ!」
「キカイニ『ンギ』ョウ、ウソイエナイ」
「よっしゃーじゃあ残りの部員のとこに行こうぜ!」
「シンニュウ『ブインノ』、ヤンシュー・トキ、ダ。ヤン『シュートヨ』ンデクレ」
「暮家 智野よ。宜しく」
「俺は塚見 一男。宜しく」
「コチ『ラコソヨ』ロシク」
「そして俺が、米田 砂種だ!」
……
……
「……え、えっと、知っとるわーい、はは」
「…………なんかごめん」
砂種は激しく落ち込んだ。
「いや……これは俺達がやらかしたかもしれん」
「オワラ『イブダシボケニタイオウ』セネバナ」
「うん……でも、いきなり振るのも無茶だったな……」
……
……
……
ボガァアアアァアァァアアン!
沈黙を破ったのは、壁が爆発した音だった。
「何だ!?」
「ククククク、米田くぅん……」
その声は聞き慣れたものだった。ある時は敵対し、ある時は共に競いあい高め合った……
「貴様が隠し持っていたのかアァああああアァぁ!」
「何よコイツ、知り合い?」
智野が砂種の方を向く。
「こいつは……名前は知らない」
「知らないのかよ」
「いや名前は知らないんだけど、何回も会ってんだ。名前を変えて、姿を変えて」
砂種が前を向くと、砂煙が晴れて、目の前が見えるようになっていた。
「気づかれちゃいましたかぁ、まぁいいや、確かにぃ、あなたに名乗ったのは偽名ですぅ。本名をタダで教えるっていうのはマスコミの流儀に反するのでねぇ」
それは、ひょろっとした20代後半の男だった。エイのようなものの上に乗って、宙に浮いている。しかし、その声は年齢の割に高いものだった。
「申し遅れました私、……」
「名乗んなくていい」
男の自己紹介を、砂種は遮った。
「クズで、十分だ」
「……クズでとは、仲良しってわけじゃなさそうね」
「クズで十分と、どんな因縁があったんだ?」
「クズデ・ジュウブ『ンダモソウ』トウウランデルミタイダナ」
「お前ら折角俺がかっこよく決めてんのによぉ!」
「ククク……おしゃべりはそこまでにぃ、しておいた方が、いいですよぉ」
クズはニタァと笑った
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