6終回 冗談みたいに無名
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」
砂種は、鍵を握りしめた。
図書館の、地下2階。そこにエレベーターで行く方法は、生徒達の間で噂になっていた。
「……えっと、」
薄暗い廊下をコツコツ歩くと、「関係者以外立ち入り禁止」と書かれた扉があった。番号を入れると、ピピ、という電子音の後に解錠の音がした。
(ありがとう……ヤンシュー)
するとすぐ目の前に、人の大きさの機械があった。
「これを……」
校長から託された鍵のボタンを押す。
「……!!」
ドガァアアアァアン!
「!?」
突然の真横からの爆発に、怪盗は対応出来なかった。
「隙ありいぃいぃいいぃい!」
そこに飛ぶエイの銃口が向けられる。怪盗は完全に体勢を崩している。
「バァイバァアアアアイ!」
パシュウ
パバキキン!
「んなぁに!?」
飛ぶエイの2つの銃口が、突如はじけ飛んだ。
「……みんな、無事か?」
いつも何度も聞いたその声に、みんなが顔を綻ばせた。
「砂種!」
「米田!」
「米田君!」
「キッサマアアアァアァァアァァア!」
激昂したクズが飛ぶエイで突進する。
「……ルールは1つ」
砂種は校長に渡された鍵を向けた。
「!?」
バギャ、ボガァアアァアン!
「俺の勝ちだ」
空を飛ぶ乗り物を壊され、重力に引かれて落下していくクズの音を聞きながら、砂種はゆっくりと仲間達の元に歩いた。
「……成る程。これで4人揃いましたね」
「じゃ、じゃあ……」
「お笑い部の、存続を認めます」
「「「やったああぁぁあ!!!!」」」
砂種達は互いにハイタッチし、リンボーダンスをし、喜びをわかちあった。
「但し」
そこに食い込むような胡蝶の鋭い声。
「部活動を怠ったものがいれば、すぐさま廃部の危機が訪れると思って下さい」
「「「はい!」」」
はしゃぎながら校長室を出る3人を見、姿が消えても漏れる楽しげな声を聞いてから、胡蝶は反対側を向いて、窓の外を見た。
「私も、甘くなったものですね……」
あの怪盗は、「これは君に託す」と言ってどこかへ消えてしまった。またいつか、会えるかもしれない。
ヤンシューは、クズが潜り込ませた自爆装置付きのスパイだったが、左腕は正式にお笑い部の部員になっている。
そして……
「さぁ、始まりました笑いのサバイバル。激戦を生き抜き、勝ち上がるのは誰でしょう?」
司会の小気味のいい挨拶が聞こえる。
前を見ると、みんなが楽しみにこちらを観ている。
「では、第1の挑戦者を発表しましょう、この方です!」
ポチ
「お母さんチャンネル間違えてたよ」
「あーら、ごめんなさい……って、間違ったまんまじゃない」
(へ……あ、ヤベッ!)
「はぁ!?ちゃんと23-a番押したんだけど
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