6終回 冗談みたいに無名
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。
「飛ぶエイの、ファンのクリーニングが終わりましたぁ。これで、100%の力が出せます。さぁぁ、絶望なさぃ……」
飛ぶエイの双翼に取り付けられた小さな銃口から、何かが飛び出してくる。
「っ!!」
パジュジュウウ!
砂種が腰を抜かしたように体の下にやると、上から硬いものが焼け融けるような音がした。
「……すげぇ威力」
「ハハハハハハフハハァアアァアぁぁ、いいですいいですいいですねぇえああはははあははは!」
クズは狂ったように笑い散らした。
「さぁぁ、腕の1本でも撃ち抜けばぁ、アナタも差し出す気になるでしょぅハハハハハァ!」
体勢が完全に崩れている砂種に、飛ぶエイの銃口が向けられる。
「ハハハァ!」
「っ……!」
「タピオカショットガン!」
パパパァン!
「……!?」
砂種がゆっくり目を開けると、全く敵対せず、高め合いのたの字も無い人の背中が見えた。
「……人殺しを見過ごすのは、流石に怪盗の流儀に反しますからね」
「……お前誰?」
「あ、そういや予告状うんたらって、前にあったよーな、無かったよーな……」
「忘れた」
「オ『レハシ』ランゾ」
「なんでもいい」
怪盗は体の向きを変え、砂種を見据えた。
「君はサイボーグ機械を適合させてくれ、早く」
「っ!?なんでそのことを……」
「いいから早く!ここは僕が時間を稼ぐ!」
そう言うと怪盗はポケットから何か丸っこくて少しトゲトゲした物を取り出した。
「怪盗流弐三式 ドリアンボム!」
怪盗はすぐクズの方を向くと、手に持ったものを地面にたたきつけた。
ボン!
その瞬間
「ぐええぇえぇぇえううおおぉおおぉうぇええ」
とてつもない悪臭が辺りに立ち込めた。
「早く行くんだ!」
怪盗が急かす声に押し出されるように、砂種は這うように歩き出した。
「……ふぅ、臭いはもうしないな」
砂種はある程度離れたとこでひと息ついた。
「さぁて、行くぞ、アイツを、止める……」
自分の為、みんなの為、お笑い部の為、
「うおぉぉおぉおおおおおぉおぉおぉぉお!」
砂種は走った。そして、校長室のドアを勢い良く開ける。
「校長先生!お願いがあります!」
「……」
撃栂 胡蝶は、肩で息をする砂種を見つめた。
「……サイボーグ機械に、相応しい人間になりましたね」
それから胡蝶は、砂種がしたこと、やらなかったことを叱り、褒めた。
(いい加減終わらねぇかなこっち急いんでんだよ)
「いいでしょう」
胡蝶がボタンを押すと、機械の腕が伸び、1つの絵画の裏にある、鍵をつまみとった。
「……ありがとうございます、校長先生」
砂種は一礼するとそれを受け取った。
「……いきなさい」
「……はい
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