生きる者たちよ
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悲鳴を感じないのか!?ナイトウォーカー!!」
「世界の悲鳴など、貴様より感じているに決まっているだろう!!」
「ぬぐ!!」
エドエルザはエルザの顎に膝蹴りを入れる。
「魔力の枯渇!!そのために私は・・・」
「違う!!世界とは“生きる者”の事だ!!」
エルザはエドエルザの手を掴み、投げ飛ばす。エドエルザは島の縁に転がっていくが、なんとか落ちずにこらえる。
「この世界は死にゆく世界、魔力が枯渇し、死に至る世界なのだ!」
エドエルザはエルザを何度も何度も殴る。
「アースランドの貴様には分かるまい!!魔力が無くなる不安・恐怖・絶望!!私たちは永遠の魔力を手にしなければ生きられないんだ!!」
エルザはエドエルザの腕を掴む。
「私たちは生きているだろ、今!!魔力が無くても生きている!!」
「!?」
エルザはエドエルザに詰め寄る。
「互いを見ろ!!魔力などとうに尽きてる!!それでも人は死んだりしない!!弱さも恐怖も全て乗り越えていく強さがある!!それが生きる者だ!!
いいかエルザ!!お前の中には私の持つ邪悪も弱さもある!!だから人々を愛する心も必ずあるんだ!!生きる者の声を一心に聴け!!」
(これがエルザ・・・私・・・なのか?)
「本当の声で語るんだ!!」
エルザにそう言われ、
(あれ・・・?涙・・・?)
エドエルザは涙を流した。
「お前は一人じゃない!!」
二人を乗せた浮遊島は、そのまま地上へと落ちていった。
浮遊島の落ちたところは大きなクレーターになっていた。
二人のエルザは、そのクレーターの中で大の字になっている。
「も・・・もう動く力も残ってない・・・」
「だが・・・生きてるぞ・・・」
「敵わんな。お前の勝ちだ、スカーレット」
「勝ちも負けもあるものか。同じエルザだ」
「・・・そうか」
二人のエルザの戦いは、今ここに幕引きとなった。
その頃、エドラス王都の城の中では、二人の男があることをしようとしていた。
「ここは・・・アニマを造り出す部屋」
部屋に入ったリリーは辺りを見回しながら言う。そして、前方を歩いているジェラールに話しかける。
「王子・・・いったい何を?」
「私は長いことアースランドを見てきた。争いもあるが、豊かな世界だった。きっと受け皿になってくれる」
「王子・・・まさか!!」
リリーはジェラールが何をしようとしているのかに気づき、焦る。
「いくらなんでもそれは暴論すぎる!!」
「この世界の争いを根絶するにはこれしかない。人と人がきちんと向き合え
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