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ダンジョンに復讐を求めるの間違っているだろうか
リズ・ローランド
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ばかりにうなだれるように頭を垂れた。

 「それに、それは詠唱を短文化してやったのでしょう。下級冒険者でそんな芸当ができるなんて普通は考えられないもの」

 ミネロヴァは片手に持った数枚の羊皮紙をぺらぺらと前後に揺らしながら言う。
 その羊皮紙にはリズの個人情報が微に入り細を穿つが如く書かれていた。

 「だけれど、あなたの魔法はまだつたない。いや、あなたが魔法を持て余していると言った方が正しいかしら」
 「…………っ!」
 「もしくは、膨大な魔力を抑え切られずに暴走させてしまう、ってことかしら」
 「っ!!」

 ミネロヴァの言葉に凍り付いたように固まるリズのわかり易過ぎる反応にミネロヴァは目を細めて続ける。

 「あなたの過去に何があったかは詮索するつもりはないけれど、始めなければ、何も生まれないわよ。強くだってなれない」
 「っ!!!」

 ミネロヴァの容赦のない言葉についに肩を跳ね上げさせる。

 「あなたが何かを克服したとき、私はデイドラの情報をもらすかもしれないわね」
 「克服…………」
 「まあ、勿論、オラリオを駆けずり回って探すのは、あなたの勝手よ」

 うなだれるリズにミネロヴァはわざとらしく代案を立てる。

 「いえ、頑張ってみます。デイドラに認められる女になるために」

 だが、リズは顔を上げると、決意を固めるように拳を作って、語調強く言った。
 目にも確固たる意志を感じさせる色を呈していた。

 「そう、なら精精頑張ることね」
 「はい、ありがとうございました」

 と言って、重々しい足取りで去って行くリズの背中をミネロヴァは肘をついた片手に顎をのせて見送った。


     ◇


 「リヴェリエさん、今いいですか?」

 ギルドを出て、本拠に戻ったリズは応接間で一人読書に耽るリヴェリエに無遠慮に声をかけた。

 「いいが、どうしたんだ、リズ?恋愛相談なら、他を当たることをお勧めするが」

 そのリズに、気分を害された風でもなく、分厚い本を閉じて、リズにからかいを含めた返事をする。

 「ち、違いますっ」
 「ほう、なら私に何を相談したいのだ?」
 「そ、その、魔法を、魔法を教えてください」

 リズは懇願するような声音で言うと、体を直角に折って頭を下げた。

 「…………それはまた突然だな」

 リヴェリエはリズの返答を聞いて、体をリズに向けて言った。

 「もう、大丈夫なのか」

 そして、真っすぐにリズを見詰める。

 「だ、大丈夫だと思います」

 と、言いながらもリズの視線は不安げに泳いでいたが、すぐにリズに据えられたリヴェリエのそれと合わせられる。

 「そうか」

 そのリズの瞳から強い
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