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ダンジョンに復讐を求めるの間違っているだろうか
リズ・ローランド
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》。近くに来なさい」
 「…………は、はい。わかりました」

 不気味に笑みを浮かべるミネロヴァに恐怖を禁じ得なかったが、物言わぬ射抜くような眼差しに背を向ける気が起きなかったからでもあるが、それよりも決して他人に知られてはならない自分の正体を知られていることについて訊かなければならないことがあったためにリズは戦々恐々としながら、戻った。

 「びっくりさせたわね。ごめんなさい。悪気は――あったわ」

 と、ミネロヴァは刺々しいものではなく、普段の声音で言った。
 この時にはリズの声で静まり返ったロビーに喧噪が戻り、彼女に向いていた注意も逸れていた。

 「デイドラと守り合う関係のあなたに少し妬いていたみたいだわ。ふふっ、私が妬くなんて」

 と、言って、

 (守り合う?私がデイドラを助けたことを知っている?)

 リズに疑問を持たせるも、それを考える間も与えず続けた。

 「まぁ、それはさておいて、あなたが精霊かそのハーフであることを他言していないし、するつもりもないわ」
 「そ、その保証はどこにあるんですか」

 疑念を心の隅に追いやり、まだ駆け出しとは言え、冒険者であるリズは冒険者ならば自然と身につく用心深さでもって言う。

 「あら、案外疑い深いのね。だけど、大丈夫よ。あなたはデイドラの命を助けたのだもの」
 「えっ、デイドラから聞いたんですか?」

 先程心の隅に追いやった疑念をミネロヴァが再び俎上に載せたのをここぞとばかりにリズは訊いた。

 「違うわよ。デイドラはあの後に目を覚ましていないわ」

 ミネロヴァは淡々と答える。

 「なら、何故知っているんですか――私が精霊のハーフだということも」

 デイドラを守ったことを知っていたことを問い質すことに託つけてリズは心に引っ掛かっていたことに言及した。

 「あら、そう言えば、まだ言っていなかったわね」

 リズの穏やかでない内心を知ってか知らずか、軽い調子で前置きすると、

 「だって、デイドラの傷を治療したのはあなたでしょう?」

 と、言った。

 「…………気付いたんですか」
 「……私はね、曲がりなりにも、冒険者だったのよ――そう、五年前まではね…………」

 リズの静かな驚きの声に、ミネロヴァは視線を天井に移して、回想するように答える。
 その言動の裏に何かただならぬものがあると女特有の第六感で察知したリズはミネロヴァが言葉を続けるのを待った。

 「だから、傷が治療されてるかされてないかなんて一目でわかるのよ――デイドラの傷を完全には治さず、塞ぐだけに留めて、見た目では治療されていないように細工されてもね」
 「…………ミネロヴァさんの言うとおりです」

 リズは降参と言わん
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