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静御前
2部分:第二章
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を強い目で見てだ。政子はさらに言った。
「あの方は」
「わかった。では何もせぬ」
「そういうことでお願いします」
 こうしてだった。頼朝はだ。
 御前に対して何もしないことにした。不本意ではあるが。
 そうして鎌倉に謀反人、頼朝がそう思っている相手の妻をだ。手許に置きながらもだ。
 何もできずじくじくたる思いでいた。しかしだ。
 ある日だ。彼はだ。宴の場においてだ。こんなことを言い出したのだ。
「舞が見たいのう」
「舞ですか」
「それをですか」
「そうじゃ。白拍子の舞をじゃ」
 剣呑な目でだ。周りの御家人達に言ったのである。
「それを見たい」
「ではすぐに呼びます」
「暫しお待ちを」
「いや、違う」
 ここでだ。頼朝はだ。その剣呑な目をさらに剣呑なものにさせてだ。

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