episode14
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
和らげるクッションになったのか、アンカーはすぐに攻撃の構えを取った。
アンカーの黄緑色の眼光が鋭くなる。戦闘中によく見られる、アンカーが本気になった時の表情である。
節を2つに割り、片方をジンベエ目掛けて投げ付ける。それを避け、止めを刺すべく、再び拳を振るった。目標を失った鎌はマストに突き刺さる。
「これで終わりじゃ!」
「まだまだァ!!」
アンカーの体がマストに引き寄せられる。突き刺さった鎌を引き寄せず、自分の体の軽さを利用してジンベエの拳を回避したのである。空中で器用に鎌を戻し、もう1度片方の鎌を投げ付ける。
「撃水っ!」
「撃水返しっ!」
「何ぃ!?」
長く伸びた鎖で撃水を受け、その衝撃を崩さず、威力を殺さず方向転換だけを行う。鎖が海楼石で出来ていることと、長年に渡り相手の力を借りて戦ってきたアンカーだから出来る芸当である。
ジンベエが放った威力のまま、今度はジンベエ本人に向かって行く。
このままでは、船に大穴が空いてしまう。もう1度撃水を放ち、互いを相殺させた。
「ええ加減にせい! わしは、七武海に入る!!」
「そっちこそ、いい加減にしろ! 人間なんかの仲間になる必要無いだろ!」
「多くの仲間を助けるためじゃ!」
ジンベエは飛んで来た鎌を避け鎖を掴まえた。
「!!」
鎖を勢いよく手繰り、アンカーは問答無用にジンベエに向かって引き寄せられる。それと同時に拳を構える。
「千枚瓦...正拳んんっ!!!」
「くっ......らうかぁぁああ!!」
突き出される拳の軌道は直線。アンカーは必死に体を捻る。目で見えていても、体が言うことを聞かないのだ。
ジンベエの正拳突きがアンカーの頬を掠め、勢いを利用したアンカーによる鎌の一振りが繰り出される。
「むんッ!!」
「なっ!? がはッ、ぁ...!」
ジンベエは攻撃を避けず受けきる。一瞬動揺したアンカーを突き出した方とは逆の手で、彼女の体を掴む。
攻撃をしてこれないように、両腕ごと抑え込んだ。
「くそっ! 離せっ!!」
「何故分からん! お前さんだって、魚人島で...街で暮らせるようになるんじゃぞ!? 嫌いな海賊を続けることもなく、平和な暮らしが出来ぶへっ!」
自由に動く足でジンベエの顎を蹴り上げる。
「勝手に決めるな! 海賊は嫌いだ。でも、自分が仲間だと思っている奴らを嫌うわけないだろ!」
「......」
「人間の仲間なんかになる必要無い! 僕はイヤだ!」
「我儘を言うな! お前さんがなんと言おうと、わしはがべッ! ええい! しばらく、じっとせい!!」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ