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ONE PIECE《エピソードオブ・アンカー》
episode14
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和らげるクッションになったのか、アンカーはすぐに攻撃の構えを取った。

 アンカーの黄緑色の眼光が鋭くなる。戦闘中によく見られる、アンカーが本気になった時の表情である。
 節を2つに割り、片方をジンベエ目掛けて投げ付ける。それを避け、止めを刺すべく、再び拳を振るった。目標を失った鎌はマストに突き刺さる。


「これで終わりじゃ!」

「まだまだァ!!」


 アンカーの体がマストに引き寄せられる。突き刺さった鎌を引き寄せず、自分の体の軽さを利用してジンベエの拳を回避したのである。空中で器用に鎌を戻し、もう1度片方の鎌を投げ付ける。


「撃水っ!」

「撃水返しっ!」

「何ぃ!?」


 長く伸びた鎖で撃水を受け、その衝撃を崩さず、威力を殺さず方向転換だけを行う。鎖が海楼石で出来ていることと、長年に渡り相手の力を借りて戦ってきたアンカーだから出来る芸当である。
 ジンベエが放った威力のまま、今度はジンベエ本人に向かって行く。
 このままでは、船に大穴が空いてしまう。もう1度撃水を放ち、互いを相殺させた。


「ええ加減にせい! わしは、七武海に入る!!」

「そっちこそ、いい加減にしろ! 人間なんかの仲間になる必要無いだろ!」

「多くの仲間を助けるためじゃ!」


 ジンベエは飛んで来た鎌を避け鎖を掴まえた。


「!!」


 鎖を勢いよく手繰り、アンカーは問答無用にジンベエに向かって引き寄せられる。それと同時に拳を構える。


「千枚瓦...正拳んんっ!!!」

「くっ......らうかぁぁああ!!」


 突き出される拳の軌道は直線。アンカーは必死に体を捻る。目で見えていても、体が言うことを聞かないのだ。
 ジンベエの正拳突きがアンカーの頬を掠め、勢いを利用したアンカーによる鎌の一振りが繰り出される。


「むんッ!!」

「なっ!? がはッ、ぁ...!」


 ジンベエは攻撃を避けず受けきる。一瞬動揺したアンカーを突き出した方とは逆の手で、彼女の体を掴む。
 攻撃をしてこれないように、両腕ごと抑え込んだ。


「くそっ! 離せっ!!」

「何故分からん! お前さんだって、魚人島で...街で暮らせるようになるんじゃぞ!? 嫌いな海賊を続けることもなく、平和な暮らしが出来ぶへっ!」


 自由に動く足でジンベエの顎を蹴り上げる。


「勝手に決めるな! 海賊は嫌いだ。でも、自分が仲間だと思っている奴らを嫌うわけないだろ!」

「......」

「人間の仲間なんかになる必要無い! 僕はイヤだ!」

「我儘を言うな! お前さんがなんと言おうと、わしはがべッ! ええい! しばらく、じっとせい!!」



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