第77話 男のジェラシーは見苦しい
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りゃ凄いだろうが、所詮は喧嘩。どうせやった事ないんだろう? 本気の殺し合いってのをさぁ!」
突如として、岡田の気迫が変わった。ついに岡田が本気になったのだ。最早彼女が高杉の大事な客人とかそう言うのは関係ない。此処でこのガキを始末しなければ厄介な事になる。それに、彼女が高杉にとって大切な存在と言うのがそもそも気に入らなかった。
高杉が彼女を傍に置きたがる理由は知っていた。彼女は似ていたのだ。かつて攘夷戦争に参加した唯一の女性剣士「紅夜叉」に―――
だが、紅夜叉はもうこの世には居ない。白夜叉によって白夜叉によって紅夜叉は殺されてしまい、もうこの世には存在しない。
そんな紅夜叉に瓜二つな彼女と高杉が出会った。本来なら似ているだけならば其処まで固執する事はないだろう。だが、高杉は恐らく感じていたのかも知れない。彼女の中に宿る紅夜叉を―――
高杉は未だに求めていたのだ。紅夜叉を、高町なのはを、求めていたが故に、二人は出会ったのかも知れない。そして、高杉はなのはを傍に置こうとしている。自分が壊そうとする世界に置いてはおけないからだ。そうすれば紅夜叉の二の舞になる。まぁ、真相は分からないのだが多分そんなとこだろう。そんな事はさせない。
そう思っていたのかと思われる。
それこそが岡田には気に入らなかった。既に紅夜叉も白夜叉ももう過去の存在。今の高杉には不要の代物なのだ。今の高杉には自分が居る。自分が高杉の腕となりこの江戸を火の海にする。その為には、今目の前にいるこの紅夜叉の生まれ変わりとも思われるこの子供は心底邪魔なのであった。
「悪いが、もうガキだからって手加減はしないよぉ。死んでも文句言うなよ」
その一言を皮切りにし、岡田の猛攻撃が開始された。途端に攻撃のスピードが段違いに上がったのだ。
「うっ! わっ!」
「幾ら経験を積んだ所で所詮は喧嘩程度。本気の殺し合いを知らないガキに、人斬りは殺せないよ」
横凪の攻撃を防いだかと思ったらその直後に逆袈裟懸けの攻撃が襲い掛かり、それを何とか防いだかと思えば今度は脳天から巨大な紅桜が襲い掛かってくる。それも徐々に攻撃のスピードが上がって行く。ついにはなのはでは対応しきれないほどの速度で紅桜が襲い掛かってくる事態にまで発展し始めていたのだ。
「あっ、づっ!」
「強がりも其処まで行けば大したもんだ。だが、所詮は子供。大人相手にするには後10年早かったなぁ!」
突如として、岡田のもう一方の手から何かが伸びてきた。それは無数の機械のコード類だった。それが生き物の様にうねり、おびただしい量で襲い掛かってきたのだ。
「うわっ! 何これ?」
突然のその攻撃に対応など出来ず、呆気なくなのははそのコード類に絡め取られてしまった。頼みの両腕も機械コード類の中
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