第77話 男のジェラシーは見苦しい
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したら恐ろしい事ですねぇ。まだ年端もいかない子供が居合の達人と言われた剣豪と互角に渡り合えるんですから。ま、それが魔法の力なのか、それともあの子の力なのかは疑問なんですがねぇ?」
「そんな事はどうでも良いんすよ! それよりも、このままだとあの精神的異常者になのはが傷物にされるかも知れないんすよぉ」
「それはいけませんねぇ、あの子は後10年……いや後6年もしたらきっととびっきりのおにゃの子になるに違いありませんよ。私の目に狂いはないんですよねぇこれが」
「変態発言もいい加減にするっすよぉ先輩!」
額に青筋を浮かべたまた子の怒声が響き渡る。
「にしても、本当にあれには驚かされたっすよ。何せ―――」
***
三隻目の轟沈を狙い、岡田は紅桜を幾度となく振るった。だが、その度にその船に陣取るなのはが紅桜の猛撃を防ぐ。両手から発する謎の見えない壁により、紅桜の猛威は桂派の攘夷志士達の下へは届かないでいたのだ。
「ちっ、何なんだこのガキは。変な術を使いやがる」
舌打ちをしつつ、再度岡田は紅桜を振るった。対戦艦用のからくり刀として作られた紅桜が子供一人斬れないのであっては笑い話にもならない。是が非にでもその事実を覆そうとしていたのだ。
「そうは、させないぃぃ!」
しかし、岡田が振るうとそれに呼応するかの様になのはも動き、紅桜の来る方向に向かい結界を展開させて直撃を防いでいてくれていた。
「いっつ〜……手が痛いやぁ。でも、もうこれ以上この人達を死なせたりさせない! 私の目の黒い内は、絶対に人殺しなんてさせないんだからぁ!」
「何でそんな奴らを庇うんだ? そいつらとお前は全く関係ないだろうが!」
「確かに関係なんかないよ! でも、どんな人だって一生懸命生きてるんだ! ヤクザだってホストだってキャバクラで働いてるお姉さんだってオカマだって攘夷志士のテロリストだって! みんな同じ一つの命を持って生きてるんだ! それを、それを何の躊躇いもなく奪うなんて、私は絶対に許さない!」
声高々になのはは叫んだ。その後ろでは、桂派の攘夷志士達が皆涙腺を崩壊させて彼女の背中を見ていた。それほどなのはの言い放った言葉は彼らの胸に衝撃を与えたようだった。
「はん、綺麗事も結構。だが世の中綺麗なだけじゃ渡り合えないって事を、勉強するんだなぁ!」
「知ってるよ。そんな事、伊達に江戸で9年間も暮らしてた訳じゃない!」
再度襲ってきた紅桜を払いのけ、なのはは飛んだ。その際に、足元に結界を展開させ、その結界に着地すると、まるでトランポリンの様に結界が跳ね上がり、なのはの体を空中へ跳ね飛ばした。
なるほど、こうやって空中を移動していたのか。
空中移動の原理を理解出来たは良かっ
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