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Dead!?お笑い部。
5の巻 全ての罪人が口に含むもの
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事実を知ってからすぐにひきつった笑顔で声をかけてくるばかりだ。
「はぁ、先輩達、どうやったんだろ……」
 砂種は先輩に勧誘されて、快く入部した。そしてそこには、少なくとも10人の部員がいた。砂種はそれが当たり前だと信じて疑わなかった。
 先輩に直接聞いてみたいが、先輩達のメールアドレスなり電話番号は把握していない。学校から渡された個人情報で家の電話に繋ぐのも、何か違う気がする。
 一応これでも遅刻のしすぎについて校長直々に説教された帰りだが、頭の中は逃げられた部員候補のこと、お笑い部のこれからのことで一杯だった。
「「はぁぁぁ……」」
 ……
「「ん?」」
 2回連続でハモった。
「もしかして……君も何か悩み事かい?」
 少年は砂種と同じ学年のようだ。
「いや……、ちょっとな……」
(これも何かの縁かな)
 そう思った砂種は廊下の脇に寄ると、見知らぬ少年へ口を開いた。
「先輩がどうやってきたのか、よく分かんなくてなってさ……」
「……そうだ、悩みを明かすなら、いい場所があるんだ」
「いい場所?」
 砂種が聞き返すと、少年は頷いた。
「どこだそれ?」
「それは……」
 少年は少し上を向いた後、砂種に向き直って、
「楽しみにしていて下さい」
 ニヤリと笑った。


「「カンパーイ」」
 砂種は乾杯を終えた後、高く上げたグラスの中身を一気にあおった。
「……ップハー!いいねぇ!いいねぇ!」
「喜んでくれて何よりだよ」
 テンションが上がっている砂種を見て、少年は微笑んだ。
「さーってもう1杯」
「あんま飲み過ぎないようにね」
「わーっあるって」
 砂種はもう1杯水を注いだ。
「ングッ、ングッ、ッップハァー!」
「ふふ、」
 少年もグラスを少し傾けた。
「んでよぉぉ、」
 砂種はだらっと口を開いた。
「うん」
「お笑い部がよぉ、」
「うん」
「お笑い部がよぉ、」
「うん」
「消えちまうかもしれねーんだよぉー!」
 砂種は机をバンバンと叩いた。
「それは……なんでだい?」
「そりゃあお前もう、そりゃあ、あう、……」
 砂種の身体が、後ろに大きく傾いだ。
「ちょ……、救急車救急車!」
 後ろ向きに倒れた砂種は、完全に目を回していた。


「ちぇー……」
 高級車の中で、少年は不満そうな声を漏らした。
「また別のやつに話聞くかー、あぁぁあ、あいつ絶対学校のこと色々知ってるよなーあー惜しい!」
 少年は頭をわしゃわしゃと混ぜた。
「ったく、どんだけ計画立ててもあっさりおじゃんになるんじゃ、立てたかいが無いぜ……」
「……大々旦那様は、こう仰られていたそうです」
 運転手が、ゆっくりと口を開いた。
「んー?」
「『千の失敗をするなら、万の挑戦をせよ』と」
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