6部分:第六章
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「あの日系人を強制収容所に送り込んだ下衆がか」
「合衆国史上最低最悪の人種差別主義者がか」
「無実の罪の人間を差別により迫害した奴がか」
「人種差別を解消させただと」
「これは嘘ではないのか」
本当にだ。誰もが夢かと思った。しかしだった。
このことは夢ではなくだ。実際にだった。
だからこそ誰もが驚いた。しかしだ。
判決は下された。そしてこれによりだ。
人種分離政策は否定された。それを受けてだ。
記者達はウォーレンを囲みだ。こう尋ねたのだった。
「あの、宜しいでしょうか」
「この判決についてですが」
「何故貴方があの判決を下したのですか?」
「その貴方が」
「貴方はです」
記者達もだった。彼の過去を指摘した。
「かつて日系人達を迫害しました」
「大戦中に強制収容所に追放しましたね」
「罪のない彼等を日系人というだけで迫害し差別した貴方が何故」
「人種分離政策を否定したのですか」
「そのことはです」
ウォーレンもだ。このことを言われるのはわかっていた。
その学者の様な顔を蒼白にさせてだ。こう記者達に答えたのだった。
「法律はこの日この時と無縁であってはならないからです」
「今とですか」
「無縁であってはですか」
「はい、なりません」
まずはこう言ったのである。
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