想いが形を成すまで・・・
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その姿はGGOでスナイパーとして戦ってきた彼女の姿を彷彿とさせた。
『ここ!』
『フッ!!』
シノンの放った拳は先程よりも鋭く、真っ直ぐに伸び、その拳は目の前の紙のど真ん中を的確に撃ち抜いた。
「出来た・・・!」
「ほう・・・」
「・・・・・」
シオンとシュタイナーは驚きながらも口元には笑みを浮かべていた。
「合格だ、これで君は次のステージに行けるわけだが・・・その前に」
「?」
シノンが首を傾げるとシュタイナーはこう言った。
「君の戦闘スタイルについてだ」
「私の?」
「そう、君の戦闘スタイルはアウトレンジからの遠距離攻撃、頭のいい敵はまず確実に潰しに来る。そんな敵を相手に対して君に合うファイトスタイル、それは・・・」
シュタイナーはシノンの視線から外れると、シノンの鼻先で拳を寸止めした。
「“カウンターヒッター”だ!」
「カウンター・・・」
シュタイナーの一言にシオンは内心納得していた。
『なるほどな・・・。確かに、シノンの特性を考えるとこのスタイルはまさにピッタリだな』
「君はスナイパーだ、他よりも明らかに目がいい。それに常に弾丸が飛び交うGGOでは必然的に動体視力がいい、その眼を活かせるスタイルこそがカウンターヒッターだ」
そう、シノンのポテンシャルを考えるとカウンターヒッターが一番彼女のスタイルに合っていた。シノンも自分が狙撃主であることもあり、護身用のハンドガンを装備していた。
近距離での戦闘が要求される中、眼のいい彼女に最適なスタイルは後手必勝のカウンターヒッターということになる。
「でも、ALOには銃は無い・・・」
「そうだね。でも、君には弓がある」
「おい、まさか・・・!」
シオンの予想はどうやら的中したらしく、シュタイナーは首を縦に振った。
「君がやること、それは相手の攻撃をかわして懐に零距離で矢を放つ。これが君の必殺の拳だ」
「私の、拳・・・」
「勿論、体術もこれから強化していく。最終的には弓と体術を織り混ぜた戦術を・・・」
「あのッ!」
シュタイナーの説明はシノンの言葉で遮られた。
「ん?」
「どうして、そこまでしてくれるの?」
「どうしてって、君が言ったからじゃないか?『強くなりたい』って」
「それでも・・・」
「それに・・・護るんだろ?アイツの背中を・・・」
シュタイナーは遠くで見守るシオンをチラリと見ると、
「僕の中には誰にも明かしていない秘密がある。皆にも、勿論シオンにも・・・」
吹き付ける風は髪を揺らし、彼の表情を曇らせる。
「彼は真っ直ぐだ。回り道をせず、ただただ真っ直ぐに目的地に向かう。でも
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