2部分:第二章
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第二章
そしてだ。日系人達のその時の現実について話した。
「しかし彼等は忠実にアメリカ社会に溶け込もうとしていた」
「その為に努力をしていた」
「偏見にも耐えていた」
「これが現実だった」
しかしウォーレンはどう言ったかというのだ。その彼等に対して。
「しかし君は彼等をそう断言した」
「法律家だというのに根拠を一切出さずに偏見に基いて断言した」
「君には明らかに人種差別思想がある」
「そしてだ」
さらにだ。その発言を指摘していく。
「彼等が破壊活動を行わないのは何故か」
「君のこの発言だが」
「彼等が攻撃開始予定時間を待っている」
「そう言ったが君は証拠を持っていたのかね?」
「知っていたのかね」
「・・・・・・いえ」
ここでだ。ようやくだった。ウォーレンはだ。
俯いたままでだ。こう彼等に答えたのである。
「そうした根拠はありませんでした」
「そう、君はここでも人種的偏見に基き彼等を糾弾した」
「合衆国軍はそうした証拠を持っていなかった」
「そうした事実は一切なかった」
「もっとも陸軍でもそう主張している者がいたがね」
その彼等も人種差別主義者であった。そしてだった。
「君はその彼等と同じなのだよ」
「ジャップとも言ったが」
「いや、公で人種差別発言をしたのだね」
「もっとも当時は戦争中であり普通に行われていたのだが」
「まさか公での発言を否定しまい」
「君が下劣な人種差別主義者でない限りはね」
「それをしないだろう」
あからさまにだ。ウォーレンにこれ以上はないまでの敵意と悪意、そして憎しみ、義憤を向けていた。
そしてだ。彼等はその糾弾を続けていくのだった。
「そのジャップ。残念だが私達は人種的偏見とそれを行う輩は軽蔑している」
「だからだ。日系人と呼ばせてもらう」
「その日系人を解放するとカルフォルニア州で破壊活動を行う」
「これも君の発言だね」
「・・・・・・はい」
この場でのウォーレンの二度目の発言だった。
だがその言葉は弱い。そしてだった。
その彼にだ。彼等はまた言った。
「日系人達、君はここでもジャップ共と言ったがね」
「また言うが君と我々は違うのだよ」
「私達は君の如き醜悪な人種差別主義者ではないと信じている」
「だからジャップとは絶対に言わない」
「このことを人種差別主義者である君にもう一度告げてから言わせてもらう」
「そのうえで言わせてもらおう」
こう前置きしてまた言うのだった。
「日系人達を再びカルフォルニアに舞い戻らせるつもりはない、ね」
「あらゆる法的手段を用いても」
「君は法律を悪用しようとしてまで彼等を迫害した」
「そう、それが君の法律家としての活動なのだよ」
「そしてだよ」
今彼等に十分な理
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