ダンジョン
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「ハァッ!」
襲いかかってきたゴブリンをスウィードが袈裟斬りで、斬り伏せる。
場所はダンジョン、その二階層。
「スウィード! まだ来るよ!」
「はいっ!」
通路の奥から現れる三匹のゴブリンを視界に入れたスウィードが己の武器である七〇Cの刀、【烈】を構えた。
「パディ、スウィードに三匹は荷が重い。 一匹頼めるかい?」
「畏まりました」
ハーチェスさんの隣、大きなバックパックを背負った執事服(実は、これも立派な戦闘服である)のパディさんは、指示が出るその前から左腕に装着したボウガン、【アルゥト】を構えていた。
ボウガンから射出された矢は真っ直ぐに飛び、見事に最後尾にいたゴブリンの眉間に突き刺さる。
「スウィード! 同時になんて考えないで! 常に一対一を心がけるんだ!」
「は、はいっ!!」
その返事に、よし、と満足そうに頷くハーチェスさん。
スウィードの方も危なっかしいが、言われた通りにゴブリンを一匹ずつ相手にしている。
流石、皆が認めただけのことはあるというものだ。
実際、ここ数日はスウィードに刀の扱いを教えていたりしていたが、えらく吸収が早い。
西洋剣に比べて、純粋に斬るためだけの武器だから習得には時間がかかるかなぁ〜とは思ったいたのだが、かれは嬉しい誤算であった。
只今【バルドル・ファミリア】は団員全員での小遠征の真っ最中。今回は二十四階層を目指し、金稼ぎ、そしてスウィードの育成とダンジョンがどんなものか体感してもらおうという魂胆があったりする。
で、手始めにゴブリンやコボルトが出てくるニ〜四階層まではスウィードを主軸として、ハーチェスさんがソロ戦闘におけるアドバイスを、パディさんが対処しきれない分のサポートをおこなっているのだ。
何故にソロ戦闘と思われるかもしれないが、この先、きっとスウィードは一人でダンジョンに潜ることもあるかもしれないという団員皆の意見によるものだった。
「セイッ!」
『ギギャッ!?』
と、俺が思考に浸っている間に、スウィードが二匹目のゴブリンを仕留めてしまう。
刀の扱いがなかなか様になっており、キラキラした目で、式さん!どうでした!と聞かれたので素直に誉めると、スウィードは一五歳の年相応の笑顔を浮かべていた。
「スウィード、気を抜かないで。 パディ、魔石の回収を」
「ええ。 もう終わらせていますよ」
頼んだ、と続けようとしたハーチェスさんだったようだが、パディさんはいつの間にかゴブリン達の体から小さい魔石の欠片を回収しており、ゴブリン達の死体は灰と化していた。
「……相変わらず、仕事が早いね」
「執事ですので」
いつもの台詞を口にしたパディさんに
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