嫌いだった誕生日が好きになった日
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それは喜んでいいのかどうかわからないけど、なかなか面白いお店だし面白い人たちだから通うのは楽しいかも知れない。
「うううぅぅううう〜〜〜っ!嬢ちゃんの意思が絶対やで!そこは譲れんからなっ!」
そう言い切ったあと「売上が〜〜」とか嘆いているんごー。
「アタシは裏子、この店のウェイトレスやってる。あ、そうだ紅茶って言ってたよな」
手短な自己紹介を済ませるとさっさと奥へと引っ込んだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・まともな飲みのもがくればいいね」
なんでそんな不安になるようなこと言うんですか?出がらしの紅茶とかが出てきたりするんですか?
「・・・・いや、飲めばわかるよ、心配しなくていい」
私の不安がお兄さんに伝わったのか、いたわるような笑顔でそう言われた。
「はーい、お待たせ。紅茶だぞー」
コトリと前に置かれたそれは普通だったので、ちょっと冷ましてから口に運ぶ、とたん目の前が真っ暗になった。
はっと気が付くと、金髪碧眼の王子様が覗き込んでて思わず目をパチパチと瞬く。
「あ、気がついたかい?」
その声に今までを思い出す。ああ、そうだ。出された紅茶を飲んだら急に目の前が真っ暗になったんだっけ。見回してお店のソファに寝かされてたのに気がついた。
「おーい、嬢ちゃん気ぃついたで!」
んごーが裏子に声をかけている。
「え、ホントか!?」
裏子がパタパタと走ってきて、心配そうにしながら、
「なんだよお前!急に倒れるからビックリしたんだぞ!貧血気味なんじゃないのか?」
貧血なんか一回も起こしたことのないわたしは「?」と首をかしげると。
「・・・・・・いや、あきらかに君の出した紅茶が原因だろ?」
お兄さんはやれやれといった様子でため息をつく。
「なんでだよ!」
裏子は意義有りと顔にでかでかと書きながら抗議するけど、
「ワイらこそ、なんでただの紅茶が毒になるんか疑問やねんけど」
んごーの証言でお姉さんの出すものが危険だということが十二分に理解できた。
「君はもう少し休んだほうがいいよ」
というお兄さんのお言葉に甘えて、ソファに横になる。今気がついたけど、お兄さんに膝枕されてる。
「あの、お兄さんのお名前をきいてもいいですか?」
どこかの王子様みたいにかっこいいお兄さんに気後れしつつ問いかけると、
「僕に興味をもってくれるなんて嬉しいね」
にっこり笑うので、ドキドキしてしまう。
「でも僕のことより、君のことが知りたいな」
「わたしのこと、ですか?」
「お互いを知るには、まず肌の付き合いが必要だと思うんだよね」
肌の付き合いと言われて慌て
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