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ホワイトハウス
3部分:第三章
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第三章

 ここでだ。彼等は妙に思った。それでだ。
 声の方を見た。一体誰が言っているのかを。そしてそこにいたのは。
 髪を左右でカールさせている。十八世紀末期のかなり古い髪形だ。しかも服もそうした感じだ。少なくともスーツではない。
 だがかなりの風格と威厳のある人物で顔立ちもしっかりしている。その彼を見てだ。彼等はいぶかしみながらだ。こう彼に尋ねたのである。
「あの、俺達より年上なのはわかりましたけれど」
「どなたですか?」
「随分レトロな服装ですけれど」
「貴方は一体」
 まず年上であることを察してだ。口調は変えた。しかしだ。
 誰なのかわからずだ。こう彼に尋ねたのである。
「その髪ってどうやったんですか?」
「あの、何でまた古風な」
「フランス人じゃないですよね」
「ははは、アメリカ人だよ」
 彼は流暢な英語でこう彼等に返してきた。
「れっきとしたね」
「そうですか。アメリカ人ですか」
「そうなのですか」
「そうだよ。紛れもなくね」
 笑顔にさえなってだ。言ってきたのである。
「それはわかったかな」
「ええ、まあそれは」
「何とか」
 英語、だがかなり古風なそれには妙に思いながらもだ。頷いてだった。
 そうしてだ。こう言うのだった。
「それにしても貴方なんですけれど」
「はじめて会う筈です」
「けれど何でなんですか?」
「俺達貴方と何処かで」
「まあ私を知らないアメリカ人はいないな」
 そのことについてはだ。彼は確信して言うのだった。
「流石にな」
「貴方を知らないアメリカ人はですか」
「いませんか」
「そうだ、いない」
 また言う彼だった。
「アメリカ人ならな」
「話がよくわかりませんけれど」
「そうだよな」
「一体どういったことなんだ?」
「そのうちわかる。とにかくだ」
 ここでだ。その彼は学生達に話す。
「リンカーン、彼を探していたのだな」
「はい、そうです」
「けれどおられないんならいいです」
「仕方ありませんね」
 そのことは納得して頷く彼等だった。いないのならだ。
 そしてその彼等にだ。彼はこう言ってきたのだった。
「彼だけではない」
「あの人だけじゃないんですか」
「そうなんですか」
「そうだ。彼だけではない」
 こう言うのだった。
「私もそうだし他の者もここにいる」
「貴方も他の人も」
「そうなんですか」
「そうだ。ホワイトハウスからあらゆる場所に行き来して君達を見守っているのだ」
「?まさか」
 ここでだ。ラテン系の若者が気付いたのだった。
 そのうえでだ。こう彼に言ったのだった。
「貴方、まさか」
「わかったか、私が誰か」
「はい、貴方が最初の方なのですね」
「私が最初で他の彼等もだ」
「ですよね。
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