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自分が掠める。ぺたぺたと背中を探る手になぜか息ができない。最後に股間に手をぐっと押し付けられ思わず手が出てしまった。
「テメー!!アホかぁーっ!!!!」
「???何なに?なんなの???」
「何さり気にセクハラしてやがるっ!!」
「はあぁ?こっちはマヨがないかチェックしてただけですけど?なんでセクハラよ??」
確かに、ふんどしなら仕込めるサイズがあるのは知っていたが、普段の消費量が量だけにお世話になったことがなかったから、すっかり頭からすっぽ抜けていた。というか背中のチェックの時点で半分パニクッていたが、よく考えればそもそもここは万事屋の玄関先だ。ガキ二人もまだ中に居るようだし、ナニかがあるはずがないのだ。
あるとしたら―――・・・・・・・・・・・・・・・・考えるのはやめよう。
「あいにくだが、股間に隠れる量なんか一瞬でなくなっちまうだろうが。たったそれだけの量でテメーにあとあとまでのネタを提供するつもりはねぇ。もういいだろーが!さっさと行かねえと予約が台無しだ」
「あいよ。そんじゃ神楽、新八、土産期待してろー」
「行ってらっしゃい銀さん」
「明日楽しみにしてるアルヨー」
(明日ッつったか今?つうことは今晩この野郎と二人で過ごせってか?ありえねぇ。なんでこんなことになったんだ?チクショウ!)
うきうきと足取りも軽く街を歩く銀時の隣で、真っ黒なオーラを垂れ流しつつ歩幅にまかせて何とか歩いてゆくのであった。20分も歩いただろうか、すでに精神エネルギーの大半を使い切って、マヨネーズ王国にでも逃げようかと考え出していた土方は、あからさまなネオンの前に到着した。
◇ ◇ ◇ ◇
”SWEET DREAM”
そう掲げた看板どおり、ピンクのお菓子の家がそびえ立っている。ネズミの国に出てきそうな外観を、さらにデコレーションして し過ぎました、ゴメンナサイ。とでもいうような、ある種の異様な毒々しさをはなつ趣であるが、とりあえずここがゴールらしい。
入り口の横にあるベルの紐を引っ張ると、蝶ネクタイをした執事風の人間が出てきて名前を告げるとにこやかに案内された。ついてゆくとチョコレート細工のような螺旋階段がありグルグルひたすら登って到着したのはドアの前だった。クッキーに見えそうなそれは明らかにドアで、銀時はまるで子供のようなはしゃぎようだ。
いそいそと中に入ったヤツに続いて嫌々ドアをくぐると、甘ったるい匂いとともにめまいを覚える内装が迎えた。
思わず渾身の力で殴ってしまったのは仕方がないだろう。銀時は風呂敷包みを放り投げてうずくまりっている。
「・・・ってぇなーオイ!なにすんだよ!」
デコラティブルなテーブルもビスケットのようなキ
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