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んな状態で風呂に入れてもいいものかと、逡巡するくらいはまともである。そうこうしているうちに湯は溜まったし、声をかけて寝ているようなら自分だけ入ろうと決めて
「ひーじーかったくん、お風呂入ったけどどーするーー?」
「入るに決まってんだろ」
ムクリと体を起こし、ふらふらと風呂場に向かう。なんかすっごいあぶなそうなんですけど、どうしましょうか・・・迷いつつ無事風呂につかるまでせめてと見守っていると、
ヨロッ
「っとぉ・・・」
はっしとつかんだ手を引き戻す。引き戻されついでに、ぽすんと銀時の肩に頭を預ける。
「ぅあ?ゆれたぁ〜」
さらりと首筋を土方の髪がくすぐる。だいぶ朦朧としているとはいえ、自分が入るなと言えば、意地でも風呂に入ろうとするだろう。両肩を支えながら、さてどーしたもんかね と、ひとりごちた。
◇ ◇ ◇ ◇
「しゃーねーなあー、オイ」
ため息をつきながら、さすがに濡れるのはごめんなので、まず自分の服から脱いでしまうことにした。脱いでる間にもよろける土方を、時々捕まえながらなのでまさに脱ぎ散らかしだ。土方の着物は自分と違い単純だから、脱がせるのは簡単だ。さっさと脱がしてしまう。
「後はコケないように連れていって入れてしまうだけだ」
なるべく気付かれないよう、そおっとフォローする。気付かれて暴れられちゃ厄介だかんな。
「おーい、湯に浸かれー」
声をかけてやっと足が持ち上がるが、無事着陸するまでは油断できない。結局、自分もバランスのために足を湯につけることになる。備えあれば憂いなしってのは本当かもねー・・・などとつぶやきながら結局同じ湯船に浸かることになってしまった。
赤い顔を湯船の縁にもたれかからせて、目を閉じている所為か酔いの所為か、普段の切っ先のような雰囲気が随分と和らいで見える。
「あー気持ちいー熔けそー」
などとつぶやいているのを眺めるのは、なんだか面白いとでもいう表現がしっくり来るのだが、長湯しすぎてのぼせられても困る。
「はいーそろそろ上がるから顔上げてしゃんとしろよー?」
「うーもうちょっとー・・・」
「だめだめー、ゆだっちゃうから、ゆだっちゃうからね?おーきーてー」
「う゛ー・・・・・・」
まるで聞き分けのない子供のように駄々をこねる。鬼と普段呼ばれているとは到底思えない無防備さだ。
何とか立たせたものの、本人に湯船から出る気がなさそうだったので、しかたがないから、そのまま縁に座らせ頭を洗うことにした。頭を洗えば多少はシャキッとするはずだ。と、シャワーをかけまんべんなく濡らし、頭用1シャンプーでわしゃわしゃと洗ってみる。自分のままならない髪の毛に比べ、シャンプーですらスルスルと指どおりが良い。痛みなどまったく
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