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・・・あんっ あっ、あぁ、ぁん」
銀時とて男であるからして放っておいても溜まるものは溜まるのだ。いつも厠で処理をしていては虚しくもなるというもの。
後腐れない相手と肌を合わせるのは嫌いではない。背負い込むのが面倒なだけに一人に絞ることは避けている。
なんせいつのまにか万事屋はメンバーも増えたし、そもそも自分には何かを守ることなどできはしない、向いてないのだ。
ぺろりと首筋に舌を這わせながら、跡が残らないように吸い付いた。やわらかい身体が縋りついてくると、ふっと笑みをこぼし人肌を堪能する。快楽はお互いが溺れるものでイーブンだ。それだけでいい。
「銀さん、堂々と朝帰りですか?」
すでに来ていた新八がひそかに眉根を寄せる。
「いやぁ〜、この前、ストーカー浪士に付きまとわれてたお花ちゃんがさぁー、銀さんにどーっしても個人的にお礼がしたいっていうからね?最近糖分不足だって言ったら、奢ってくれたのよ〜。ケーキバイキングで食べ放題!久しぶりに堪能したなぁ」
「銀ちゃん、なんでワタシに声かけなかったアルカ!おなかいっぱい食べられるチャンスなんてそうないネ!」
ふくれっ面しながら押入れから出てきた神楽に
「だぁ〜かぁ〜らぁ〜、個人的なお礼に呼べるわけないでしょ?対象は銀さんだけなのっ!」
ツバ飛ばしながら言い切る。
「なんで銀ちゃんだけアルカ?それ、3人でした仕事だったはずネ」
全然納得できないと、神楽はふくれっ面である。
「そりゃお前、お花ちゃんのストーカー撃退の話だけだろ?銀さんはねぇ、お花ちゃんの彼氏のフォローまでちゃあんとして仕上げたわけよ。商人にゃ切った張ったは無理だろ?だけど無理でも何でも彼女を守ろうとした心意気はあったわけでね?それをお花ちゃんに伝えて人の仲を取り持ったの!そういう細やかなサービスのお礼な。つーことでお前と新八ははずされたわけ!」
嘘は言っていない。もちろん言ってないことはあるけど、子供とも呼べる年齢の二人には話さないほうがいいこともある、それだけだ。
「あんまり爛れた生活してるといつか後悔しても知りませんからね」
聡い新八はそれでも何か気づいてはいるようだが、聞こえないふりでジャンプを読むことにした。
昼過ぎに定春の散歩がてら3人でぶらついていると、見知った顔を遠くに見かけた。黒のそれは昼間見るには少し周りから浮いて見える。
(……そういやあんとき あいつが近くにいたんだっけ)
もちろん気がついていたが、あの時はいつもの隙のない顔つきとどこか違った。その証拠に場所を離れるまで、咥えていたものに火が灯ることがなかったのだから。
「あっ沖田さーん、土方さーん。お仕事ですか?」
目の悪い新八が気がついて手を振る。続いて神楽が朝のやり取りの不満をぶつけに走った。
◇ ◇
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