暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
sts 13 「六課のとある休日」
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なければ俺もバイクに乗れたんだが……ここに居る間は外に用事がない限り乗れそうにないな。また今日みたいな機会があれば、今度は俺がティアナにバイク貸してやるか。
 ティアナ達の姿が見えなくなってすぐ、後ろから足音が聞こえた。振り返ってみると、そこにはフェイトとエリオ達の姿があった。

「ライトニング隊も一緒にお出かけ?」
「「はい、行ってきます!」」
「うん、気を付けて」
「ふたりともあまり遅くならないうちに帰ってくるんだよ。夜の街は危ないからね。それとショウの言うことはちゃんと聞いて迷惑掛けないように」

 エリオ達に優しく声を掛けるフェイトの姿は母親に見えなくもない……が、彼女は俺と同年代である。10歳程の子供がいる年ではないだろう。
 とはいえ、母親みたいだと言うと喜びそうな気がする。だが年齢的にはお姉さんのほうがしっくり来るわけで……よし、これ以上は考えないでおこう。

「ショウ、ふたりのことお願いね」
「ああ……」

 返事はしたものの……服装のせいか、ある意味俺がエリオとキャロのデートを邪魔しているような気がしてならない。とりあえず街まで送って、その後は別行動したほうがいいのでは

「ショウ、お願いね。頼んだから」

 フェイトさん、分かったのでそんな怖い顔で覗き込むのやめてもらっていいですか。引き受けたからには真面目に引率というか見守らせてもらいますんで。

「んじゃ、俺達に出発するか」
「うん、兄さん」

 笑顔で手を握ってくるエリオの姿は年が離れていることもあって可愛らしくもある。背後に羨ましそうな目をしていそうな人物が居そうな気配がするが、俺は気にしない。故に振り返らない。エリオの方からやってきたことだし、立場的に手を振り払う理由もないから。

「いいなぁ……」
「ん? どうしたキャロ、さっさと行くぞ?」

 空いている手をキャロに差し出すと、一瞬固まったように見えたが、すぐさま笑顔を浮かべて駆け寄ってきた。妙に手を握る力が強いが、そんなに嬉しいことなのだろうか……まあ彼女の年齢を考えればおかしいことではないし、深く考えることもないだろう。

「じゃあ行ってくる」
「「行ってきます」」
「うん、行ってらっしゃい」
「行ってらっしゃい、車とかには気を付けてね。もしも何かあったときはすぐに……」

 俺が一緒に居るのにこの過保護っぷり……俺が信頼されていないのか、はたまた心配が過ぎるのか。
 フェイトの精神的ダメージを考えると、エリオ達が反抗期を迎えないことを心から願いたいものだ。すでに大人びてしまっている部分があるので大丈夫の気もするが、それはそれで彼らのことが心配にもなったりする。
 けどまぁ……とりあえずは今日が楽しい1日だったって言ってもらえるようにするのが先決か。
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