第三十八話
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事が堪えたのだろう。
その身は既にボロボロだ。
「ママ!ママー」
何だ?と振り返ると、叫びながらプレシアに走り寄るフェイトの姿が。
「フェイト!」
アルフが止めようと駆け寄るが、その拘束を抜け出してプレシアの脇へと走ってきた。
「ママ!」
「フェイト…私は貴方が大「ママ!私だよ?アリシアだよ?分らないの?」…え?」
プレシアの頬に当てた手は左手。
右利きであるはずのフェイトが左手で触れている。
「アリシアなの?…そう。いつもそこに居たのね」
敵意が消えた事を確認して俺はスサノオを解く。
どういう事だろうか。
確かにフェイトにはアリシアの記憶が転写されているかも知れないが、形作られた人格はアリシアではなくてフェイト本人のもののはず。
それにフェイトはママとは言わない。
「ママ!ママ!」
必死に抱きとめるフェイトを慈しむ様に力の入らないその腕で抱き返すプレシア。
「あーちゃん!」
心配そうに駆け寄ってきた母さん達。
その顔はどういうこと?と、問いかけている。
「プレシアが研究していたのは記憶転写型クローンだったから、可能性の一つとしては転写したアリシアの記憶から造られた人格が今になって表面に出てきたとか」
「それは違うみたい」
「ソラ?」
ソラは写輪眼を使用してフェイトを見ている。
俺も倣って写輪眼でフェイトを見る。
するとフェイトの内側に黄色に近い金色のオーラに混ざって水色のオーラが混ざっている。
「これは…」
「何?何なの?」
状況判断に戸惑っている俺の変わりにソラが説明する。
「フェイトの中に他の人の魂が混じってる。今はそれがフェイトを押しのけて体を操っているみたい」
「もしかしてアリシアちゃん?」
なのはが問いかける。
「状況からして多分そう」
二人の会話を邪魔しないように遠巻きで二人を見守る。
感動の再会だが、どんどんプレシアさんの息が細くなっているのは気のせいではないだろう。
こそっと母さんが俺に問いかけてくる。
「ねえ、彼女を助けられない?」
彼女とはプレシアの事だろう。母さんもこのままではプレシアが助からないと肌で感じている。
体から漏れ出す微弱なオーラも段々か細くなっていっている。
「命を繋ぐ事は出来るだろう」
「だったら…「でも」」
母さんが言葉を言い切る前に言葉を被せる。
「でも、命を救う事が彼女を救う事?」
「あっ…」
「命を救っても、彼女には犯罪者としての服役が待っている。そこで彼女の望みは叶わない。彼女の望みは大きいよ」
「望みって、アリシアちゃんの復活」
いいや
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