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詩集「棘」
遁走曲(フーガ)のように

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花弁のような雪が舞う
春の始めに君は去った
今はもう梅雨の入り口
君追うように僕は生きてる

君は遠く別の場所へと暮らし
まるで複雑な主題を提示してる
何も言えずに送り出した僕は
三度下で必死に追いかけているよ

心が絡まって 時々 不協和音
会えない淋しさ隠して和音に戻せ

この辛い片想いは遁走曲(フーガ)のように
いつまで走ってみたって追いつけないよ
時には重奏な和音が響き
僕の胸を掻き乱して 溜め息吐かせるよ


ねぇ、君はどうしてるの?
何を見て何を感じてる?
どうせ僕のことなんて
心の片隅にも無いでしょ?

どうしてこんなにも切なくなるの?
きっと君は今頃 転調してる
僕は僕で調性を変えていた
それでも三度下で追いかけている

想いが詰まって 時々 半音階
見せたくない強い感情 溢れ出す

この辛い片想いは遁走曲(フーガ)のように
休符(ハードル)跳んでみなくちゃ先も見えないよ
時には突拍子もない音もある
君の心覗きたくて 胸が苦しくなる

この辛い片想いは遁走曲(フーガ)のようで
一体どんな和音で締め括られる?
繋がる長調か悲痛の短調か
僕の想い いつでも君で一杯で…




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