マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0997話
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ってから数分。未だに揺れ続けているのだ。
『門が……門が……』
「門が? どうしたんだ?」
『門が、崩壊していっているそうです!』
……何?
門が崩壊? 地震で門が崩れ始めているって事か? 確かに向こうの技術で作り上げた代物だし、色々と不思議物質であるのは事実だ。
だが、それでも……いや、不思議物質であるからこそ、地震程度で崩れ落ちるものか?
とにかく、今は一刻を争う事態だ。もしも本当に門が崩れたとすれば、ホワイトスタートの接続が切れて向こうの世界に取り残される奴が出ないとも限らない。
「確認するが、門は崩壊しているってことは、もうこっちに戻れないのか?」
『いえ、報告に寄れば崩壊そのものはゆっくりとしたもので、まだ通る事は可能だと』
なるほど。そもそも通信が可能な時点でまだ完全な崩壊ではないってことか。
「分かった、ならすぐにアルヌスの丘にいる者達は全員ホワイトスターに戻れ。それと、門世界で活動している者達にも至急連絡を付けて、ホワイトスターに戻ってくるように伝えろ」
不幸中の幸いだったのは、基本的に門世界で活動している者達は何らかの移動手段を持っているって事か。これで何も出来ずに向こうの世界に取り残されるという事にはならないだろう。後は、門の崩壊までに向こうからこっちに戻ってこられるかどうか……」
『分かりました。至急連絡します』
「それと、その基地に置いてある武器弾薬の類も出来るだけそっちに残さずに持ってきてくれ。どうしても無理なようなら、完全に破壊するように」
『は!』
その言葉と共に通信が切れ、まだ通信の繋がっているエザリアの方へと視線を向ける。
向こうでも同じような情報を得ていたのだろう。表情が厳しく引き締まっていた。
「聞いてたな?」
『ええ。こっちでもすぐに対応するわ』
「ああ。それと俺は一旦門世界の方に出向く」
『なっ! アクセル、貴方……いえ、何か言っても無駄だったわね。けど、いい? 向こうに取り残されるようなことにはならないでね? あやかや千鶴を悲しませたりしたら許さないから』
「分かってる。別に門が絶対に崩壊すると決まった訳でもないだろ。もしかしたら崩壊が止まる可能性も十分にある。それより、そっちは技術班に連絡してくれ。もしかしたら、門の崩壊を止められるかもしれないからな」
『ええ。……気をつけて』
短く言葉を交わし、エザリアとの通信を切る。
……さて、何が起きたのかは分からないが、それでもやるべき事をやるとするか。
内心で呟き、一刻も惜しいと影のゲートへと身を沈めていくのだった。
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