プロローグ:4人兄弟姉妹、☆空レストランへ行く
このJK妹、接待経験あり(する側とは言ってない)
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マークなんぞ添付してきやがったのかあの歳で。
あたしたち兄弟姉妹4人をこの世に産み落とした母親、彩姫。一人歳の離れたお兄ちゃんを産んだ年齢(18歳)から計算すると今年で4○歳なのに、あたしや結月と並ぶと3姉妹に勘違いされる驚異の外見を持っている。しかも『奥様は女子○生』どころか、言動の幼さはあたしの妹の現役中学2年生女子より下だ。
けれど、若い母親が羨ましいというならくれてやる、と言えるほど時折……というか大抵の場面でこれが自分の母親だと思いたくない女性だ。
家事は言われたとおりにすらできないし、作れる料理はあってもお菓子くらいだし、食物アレルギーなんて何ひとつないくせに今時の子どもより偏食が酷い。あたしと聖斗と結月がここまで生き延びてこられたのはお菓子以外の料理が作れるお父さんとお兄ちゃんのおかげだし、その流れで必然的にあたしは家事をするようになって、今こうして無事に疑似主婦のスキルを得られるまでにレベルアップしちゃったわけですが。
しかも言動の幼さに加えて性格がとてもオープンだ。語弊や誤解を恐れずに言えば、あの人は頭のネジが何本かおかしい。特に性的な方向のネジが何本か紛失し、緩み、パッキンからどピンク色した作品の構想がダダ漏れしている。
職業柄とか資料作成のためと言えば許されると思っているのか、何も知らなかった頃のあたしと結月はハグやらキスやら――その数手先の行為まで――やらかしてしまい、しっかり動画として記録されてしまっている。その内容たるやU-15アイドルのIVなどもはや数億光年の彼方の過激さで。そりゃあ実の姉妹が――って、もちろん詳細は言わない。あたしにとっても結月にとっても完全な黒歴史だし。
そして今、その緩んだネジがブッ飛び、脳からダダ漏れした倒錯的妄想の先は現担当編集者――確か名前は遊瀬汐里さん――に向けられ、彼女を女性同士のめくるめく恋愛(と悦楽)の世界へ引きずり込もうとしている。
おそらく状況から見れば、取材旅行に出かけたついでに最近カレシができたばかりだと聞いた担当編集者をご当地の名産品と一緒に(性的な意味で)美味しく頂いてしまおうという腹積もりだろう。小賢しいことには知恵が回るあの小説家のこと、プロットは完璧に組み立ててから実行するつもりだ。
叶うのであれば「小説家」の肩書の頭に「成人男性向け官能」がつかない作品を書いてほしいと娘側としては期待したいけれど――実際、お母さんのPNで出版された作品はどれも濃密な情景描写と女性心理の微妙な感情描写が素晴らしいと高く評価され、今ではSM、調教、レズの分野において右に出る者を探すほうが難しいらしい。娘としては昨今の文学賞の作家名も作品名も出てこないし、そっちの世界なんて知ったこっちゃないけど。
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