プロローグ:4人兄弟姉妹、☆空レストランへ行く
このJK妹、接待経験あり(する側とは言ってない)
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時、ゲームに興味のない大人でも名前くらいは聞いたことがあるほど名の知れた有名ゲームブランド【エリュシオンソフトウェア】からの依頼メールをもらったあたし(当時中学2年生)は、計算上はホワイトすぎる依頼内容を見てその場の勢い半分+浮かれ気分半分で依頼を引き受け、計算にはなかった厳しいダメ出しの連続に何度も心折られ、カフェインと精神安定剤のドーピングを施し、生理不順を起こしながらも先方が望むようなキャラデザとイベント原画、その他パッケージイラストや特典物の描き下ろしイラストを、締切と受験勉強開始時期ギリギリの中学3年の夏休み終わりまでに描き上げた。
この失敗を経て、契約条項についてできるだけ詳しく煮詰めるようになったのも今となっては……ちっともいい思い出じゃない。当時14歳にして、特に望んでなったわけでも始めたつもりもなかったクリエイター人生の終焉を迎えるかもしれないという恐怖を背負っての修羅場を思い出すと今でも泣きたくなるし、胃の辺りが痛くなるし、吐き気と頭痛と身体の震えが収まらない。
「そっか、それじゃ仕方ないなぁ。じゃあ他のは? 話せる分だけでいいから」
「雑誌のほうは出かける前に終わらせて担当さんに渡したし、文庫のほうは白黒背景抜きの挿絵あと1枚」
家族にすら他言無用な職業や契約内容があるという現実をよく理解している結月の質問に、あたしは先方にとって差し障りない程度に――といっても、お兄ちゃんも聖斗もお父さんもお母さんも知っているので――素直にさくっと答えた。
キレイめのキャバ嬢やら半脱ぎ人妻やらキワドいランジェリー着た二次元美少女やらが並ぶコンビニの雑誌コーナー(成人指定)に並ぶ雑誌の表紙を飾るイラストを描くのもあたしの抱えている仕事。
中高生向けの、「人気沸騰中」(*注:『こ○ラノ』での特集記事より抜粋)で「重版御礼」(*注:某出版社HPより抜粋)なインターネット発の女子学生探偵活劇モノの文庫本の表紙と挿絵を描くのもあたしの仕事だ。
で、あたしがもうひとつ抱えている仕事は後で打ち明けるとして――お察しのとおり、あたしの履歴書の職業欄には現役女子高生という他に「原画家」といういかにも胡散臭いものが追加できる。何しろW○kipediaにあたしのページがいつの間にかできちゃってたからね。けれどウ○キの編集者さんたち、よくあたしの名前がいつの作品のクレジットから載っているのかとか、メーカーや出版社の公式ホームページの過去コメをさかのぼって調べてるよね。その努力は感心するわ。
……まあ、あたしが原画と彩色だけの原画家だけだと思われているなら、それはそれで構わないんだけど、ね。
「そんな仕事量で大丈夫なの? 夏のほう」
「んー、別に今年もいつもどおりだし」
お察しのとおり、結月が仕事のペース配
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