プロローグ:4人兄弟姉妹、☆空レストランへ行く
このJK妹、接待経験あり(する側とは言ってない)
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……反応が軽いッ! 軽すぎる!!
あたしの代わりに結月がスマホで検索した結果を答えてくれたけど、まがりも何もミシュラン三ツ星の高級店に対しての我が弟の反応がこれだ。
さすがあたしやお兄ちゃんの弟にして、結月の兄で、あたしたちの両親の子ども。少しでも興味がかすれば全力で傾倒するくせに、それ以外は全くと言っていいほど気にしない。
そう、何も気にしない。
ダカラキニシナイ。お兄ちゃんの財布の中身なんて。
「ってことでお兄ちゃん。ゴチになります」
「ゴチになりますっ!」
「だからちょい待て妹達! てか、こういうときだけぴったりだな呼吸!」
そりゃまあ、あたしも結月も別に誰かをレベル6にするために2万体も製造されてないし、個体識別番号なんてないし、少なくともあたしは打ち止めより肉体も精神も大人だし? ……結月の精神年齢までは知らんけど。
実際のところ、「オンナノコ」なんて合図ナシで一瞬で呼吸を合わせて、次の瞬間に喧嘩して、三秒後に仲直りしたら翌日にまた仲違いしてるようなもんだし……だし? 誰だ今ぼそっと「ま〜○(笑)」とか言ったヤツは?
「うっわー。私、三ツ星レストランとか初めてなんだけど」
「ちょい結月。ドレスコードとかって知ってる? ねえ? てかもう行くの確定してない?」
「いやいや、俺なんてまだユニフォームなんだけど?」
「あー、そっか。結月は私服でも問題ないだろうけど、聖斗はさすがにヤバいね」
今さらだけど、コスプレイベントに参加していた結月は私服なのに対し、朝早くから遠征してまで他校との練習試合を複数こなした聖斗の恰好はよく見ると汗や砂の汚れがついたままのユニフォーム姿だった。
これはもうドレスコードうんぬん以前の問題だ。下手するとどこぞの駅前アーケードにある全国チェーンの牛丼屋アルバイト店員にすら内心忌避されるかもしれない。
「だろ? だから家にかえ――」
「じゃあお兄ちゃん。聖斗の服買ってから行こう」
「その金も俺が出せとですか!?」
三ツ星で可愛い弟妹3人分を奢らされるのがそんな嫌なのか、相当テンパってるお兄ちゃんのキャラの一角を担うのんびり口調がまったく見られなくなってしまっている。
――おいたわしやお兄様。妹は悲しいです(棒)
それに何その下手な方言。そんな軟弱なキャラづけじゃこの業界、1クール終わればすぐ埋没して生きてけないよ?
「そこはあたしが出す。10万くらいあれば十分でしょ?」
「え? いや、姉ちゃん?」
「なに聖斗。足りないとか?」
「いや、そんなにいらない」
ああ、この弟はなんて可愛……じゃなくて――。別にお姉ちゃんに遠慮なんかしなくていいのに。
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