33話 『交錯する想い』
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「5人とも、無事だったか」
「お帰りなさい……!」
オンラクの町の波止場の海中から戻って来たランク、シファ、ビル、ルーネス、レフィアを出迎えるイングズとアルクゥ。
「嵐が治まって海が穏やかになったから、きっと元凶を倒せたんだと思ってたよ!」
「ハイっ、水のカオスを倒して人魚さん達を助けてあげられました…!」
アルクゥにビルが答え、レフィアが仲間の二人に声を掛ける。
「あたし達が[空気の水]で海底神殿に行ってる間、町の方は大丈夫だった? ……ってゆうかイングズ、何で忍者から吟遊詩人になってるわけ?」
「町の人々を勇気づける意味で吟遊詩人になり竪琴を手に歌った所、思いのほか好評で次々と歌を披露していたら襲撃して来た海魔逹を町の人々が、歌の効果も相まってかすぐ様返り討ちにしてしまった」
「イングズ、歌上手かったからね。町の人逹、かなり高潮してたもん」
「……いや、これもジョブの力のお陰だろう」
「ずっと荒れていた海が、ようやく穏やかになった……!」
「海魔が襲って来る心配も、無くなるのね!」
「これで美しい水の都を取り戻す事が出来る……!」
「旅人さん達に感謝して、今夜は宴といこうじゃないか!!」
「そりゃいいや! おれハラ減った〜っ」
そう云って腹をぐうっと鳴らしたルーネスは、町の人々の笑いを誘った。
……しかしランクだけはどこか晴れない表情をしており、気に掛けたシファが話かける。
「どうしたのランク、水のカオスを倒して二つ目のクリスタルの輝きを取り戻せたんだから、少しは喜んだら?」
「ホントなら三つ目のはずだろ。……アイツが戻って来ねェと意味ねーよ」
────ひと通り宴の席で町の人々と交流したあと、アルクゥとビルの二人は噴水前のベンチに腰掛け暫し語らう。
「良かった、こうして町の人逹が元気になってくれて……」
「そうでスねぇ、あちこち壊れちゃってまスけど、きっと復興できまスよっ」
「ビル逹は、これからどうするの?」
「えぇっとでスね……、一度仲間のマゥスンさんが戻って来てるかどうか、確かめに行かなきゃならないと思いまス」
「そっか……、事情は知らないけど、もう一人の仲間とまた会えるといいね」
「アルクゥさん達は、どうされるんでスか?」
「う〜ん、とりあえず僕達なりの旅は続けてくつもりだけど……ひとつ、聞いていいかな。君達は、"次元の狭間"っていうのを知ってる?」
「ふえ? 次元の狭間……でスか??」
「うん、何かこう……空間の裂け目みたいな」
「そう、でスねぇ……。見た事あるような、無いような───」
その時ビルの脳裏に、禍々しい黒水晶から発生した暗黒の裂け目のよう
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