第6話「天魔外道ニモ負ケズ」
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んだ兄者」
罵倒と続けざまにくる妹の呆れた視線。
頭に血がのぼった銀時はアホみたいに無我夢中で木刀を振り回すのだった。
会場はさながらドラゴンボールの天下一武闘会のようなバトルが勃発していたが、銀時達が戦う光景を道満はつまらなそうに眺めていた。
幻影に惑わされる馬鹿な奴等の踊りの繰り返しに、自然とあくびが出てしまう。
所詮はただの悪あがきかと胸中で蔑んで、道満は呪法を唱える因縁の兄妹に目を向ける。
「味方がこれほどいても虫ケラでは意味がないな。クリステル、こんな役にも立たない奴らのヘドな笑みが見たかったのか」
「人々のために天道を読んでたことは、あなたにとってはくだらないことかもしれません」
罵倒されても結野アナは道満を力強く見据えて言い放つ。
「でも虫ケラなんかじゃありません。この人たちは私の大切な市井です」
「ならばその大切な奴らもろとも貴様を葬ってやる」
そう腕を振り上げる道満の手から巨大な暗黒の光弾が生まれ、黒き陰陽師はニヤリと笑って戦う銀時たちと結野アナに向けて放った。
暗黒の光弾はあまりにも霊力があり過ぎて、結野アナでは止めても逆に押し潰されてしまう。
しかし直後に道満の攻撃を受け止めたのは晴明だった。五芒星が浮き出る晴明の結界と光弾がぶつかる間で激しい火花が炸裂する。
「兄様!」
暗黒の光弾がじりじりと晴明の結界に押し寄せる。最強の陰陽師の名をもつ晴明でも憎悪の念がこめられた攻撃を食い止めるのがやっとの状態だ。
それでも結界を張って晴明は結野アナを護る。道満はその姿を無様だと決めつけて笑いをこぼした。
「諦めが悪いぞ晴明。最強の力を手に入れたこの俺にお前が勝つ確率など万に一つもありはしないのだ」
「確かにかのような力を宿したぬしに、わしには勝ち目がないかもしれん。だが道満、ぬしには足りないものが一つだけある!」
その言葉と共に晴明の結界が一気に拡大し、光弾をはじき返した。凄まじいスピードだったが、道満は自分に向かってくる光弾を難なくかわした。
だが、それは一瞬の隙を生む結果になった。
「外道丸!」
「はいでござんす」
結野アナの呼び声に応えるように、倍以上の大きさに巨大化する外道丸の金棒。
「大型台風加斗吏亡到来じゃあああああ!」
巨大化させた金棒を振り回していくつもの道満の幻影を一掃し、残った最後の一体――本物の道満めがけて金棒を振り下ろす。
だが一瞬早く道満が大きく跳躍し、外道丸の渾身の一撃はかわされてしまった。
見事に的を外して佇む外道丸を、空中で文字通り高笑いを上げて見下ろす道満。
「フハハハ!馬鹿め、虫ケラにやられるような私ではない」
「「だろうな」」
背後から聞こえる二つの声。
それが虫ケラだと罵った銀
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