第6話「天魔外道ニモ負ケズ」
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かるだろ。あの天気アナも自分からここに立ったんだ」
「けどな……」
銀時は不満そうに何かを言いかける。彼が素直に頷けないのも無理はなかった。なぜならこの状況はなんとなくあの時と似ているからだ。
戦うことを決意した妹とそれを許した兄。
どうにも胸騒ぎを感じる。こんなことを気にするなんて自分らしくないと思うものの、やはり不安だ。
あの時あの場所(戦場)で独り戦わせてしまったせいで双葉は――
「テメーがアイツらにそこまでする義理ねェだろ」
「大ありだ。特にシスコンには」
妹の発言に心当たりがなく眉をひそめた。しかしその答えは実に単純なものだった。
「ピザ1枚のお返しだ」
その一言に銀時はフッと笑い、同じく微笑を浮かべる双葉と並ぶように立ち上がった。
「そーかい。んじゃ口挟むのは野暮ってことだな」
「ああ。だから邪魔するな」
「……だったら行くぜ」
「ぶわぶわ浮いてる汚たねー雲ブチ晴らしによ!」
* * *
リングのゴングが鳴ってから再び結野衆と巳厘野衆の激闘が繰り広げられていた。
いくつものお札が飛び交いその度に爆発を起こし、また呪文から生まれた両者の光弾がぶつかりあって爆音を立てて消える。
闘うのは道満一人と双葉を含めた万事屋、晴明に外道丸、そして結野アナの七人。数だけ見れば圧倒的に結野衆が有利だ。
だがしかし、道満が生み出す謎の力が銀時たちを圧していた。
陰陽術が使えない万事屋と双葉は肉弾戦で特攻するが、道満の幻術が生み出した幻影に惑わされいくらやってもきりがない。
「「「虫ケラが抗ったところで無駄なことよ」」」
同時に口をそろえて罵倒する何人もの道満。
「うるせェ!」と声を上げて銀時は木刀で目の前の道満をブッ叩くがそれも幻影だった。
「「「「どうした。わしはこっちにおるぞ」」」」
「むさ苦しいツラ何個も見せつけやがって気持ち悪ィんだよ。趣味悪いったらねぇなァ!」
憎まれ口を叩きながら攻撃するも、同じ顔の道満たちは笑うばかり。
そのうちの一人の道満がお札を構え、結野アナめがけ光弾を解き放った。
それに気づいた銀時はすぐさま結野アナへ飛び、彼女の身代わりに光弾の直撃を受ける。激痛が身体を走るが、銀時は澄ました顔で耐え抜いた。
「大丈夫ですよ結野さん。あなたのためなら火の玉だろうがダークマタ―だろうが喜んで受けます。もちろんあなたの心も……ってアレ?」
カッコよく気取った口調で振り返ったものの、そこに結野アナの姿はなかった。周りを見渡すと、反対側で本物の結野アナが晴明と一緒に呪法を唱えていた。
そんな彼の様子を道満が嘲笑う。
「フハハハ!ぬしが庇ったのはわしが作り出した幻影だ。ファンのくせに本物の区別もつかぬとはファン失格だな」
「何やってる
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