第6話「天魔外道ニモ負ケズ」
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ござんすね」
「悪いな。押しつけがましいんだよ、私は」
「クリステル様を泣かせるようなことになったら、許さないでござんす」
怒りのオーラを漲らせて再度警告する外道丸。
だが双葉は振り返って皮肉じみた口元で逆に聞き返した。
「あんな表情をしてる奴が泣くのか?」
そう聞かれた外道丸の瞳に映るのは、今まで見たことのない主の笑み。
それは強さに満ち溢れ、どこにも負ける気がないとても勇ましい表情。それもまた今まで仕えてきた術者たちにはないモノだった。
それを目にして何かを悟った外道丸は、ごく僅かに微笑を浮かべる。
「何を戯けたことをおっしゃいますか。そんな事あるわけないでござんす」
いつもの優しい笑顔の方が落ち着くが、あんな表情も嫌いじゃない。
ずっとクリステルを巻きこまないようにしてきた。けれど共に戦ってみるのも悪くない。
それがどんな結果になろうと、今はあの勇ましい笑顔と肩を並べて戦いたい。
そう外道丸が心の中で納得していると、双葉はもう一つ思い浮かんだ事を口にした。
「それにしても、外道の身でありながらそこまで主の心配をするのは外道に反してないか?」
その問いに外道丸は薄く微笑んだ。
「あなたも馬鹿なことをおっしゃるでござんすね。あっしは外道を極めし邪神。外道から 背くのもまた外道でござんす」
言葉遊びのような返答に、双葉もまた口元に小さな笑みを浮かべた。
治療が終わっても銀時はまだ白目を向いて倒れていた。
「兄者、いつまで寝ている気だ。さっさと起きろ!」
まだ起きる気配がない銀時の股間を容赦なく踏んづけた。
どうしようもない猛烈な男だけの痛みに、悲鳴を上げ跳ね飛ぶ銀時。
「オギャ!!馬鹿やろぉぉぉ!やっと復活したキン○マ永久スクラップにする気かァァァァァ」
大事なトコロを押さえて目元に涙を溜めながら叫ぶ。だが、それはここにいるはずのない意外な人物を目にしたことで驚きの声に変わる。
「結野アナ!?」
「なんでここに?」と混乱するが、直後に視線は妹に向けられる。
「双葉、まさかテメェが……」
「雨に濡れていたからな。風邪をひきそうだったんでここへ雨宿りさせた」
冗談なのか本気で言ってるのかわからない説明に銀時は当然納得がいかず、険しい目つきで双葉を見た。
「おいおい。これじゃ外道丸やお義兄さんの苦労が水の泡じゃねーか」
「言ったはずだ。これは奴等がまいた種だ。奴等の手で枯らせなくては意味がない」
「だからってな」
「それと兄者、一つだけ言っておく。……私は立たされたんじゃない。自分から立ったんだ」
どうやら晴明との会話を聞かれていたらしい。
銀時は困ったように何度か頭を掻く。
「……んなこたァわかってんだよ」
「ならわ
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