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白樺
5部分:第五章
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でいきましょう。これからは」
「奥方様と私が」
「花のよさと深さが今回のことでより一層わかったから。それに」
「それに?」82
「そなたのこともよくわかったから」
 それでだというのだ。
「一緒にいて学びたいから」
「だからですか」
「そう。傍にいるだけでなく共にね」
 花を学びたいというのである。
「そうしてくれるかしら」
「有り難きお言葉」
 将軍の奥方から言われるとはだ。一介の女中からは信じられない言葉だった。
 しかしだ。奥方はおなまにさらに話した。
「ではこれからはね」
「奥方様と共に」
「いましょう。それでいいかしら」
「わかりました」
 おなまもだ。笑顔で頷いてだった。
 そのうえでだ。二人は共に花を学んでいくのだった。花は何処までも深く美しくだ。二人を誘っていくのだった。その美の中に。


白華   完


                    2011・8・3

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