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転生特典をもらっても全て得になるとは限らない
機動戦士ガンダムSEED編
第12話
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 ラクスを人質にしたことで戦闘が終了し、オレはアークエンジェルへと戻っていた。
 ジンを格納庫の定位置まで歩かせ固定し、コックピットから乗降ワイヤーで降りる。降りて最初に会ったのはムウとマードックの二人だった。

「おう、兄ちゃん生きてたか」
「ああ、こうして無事にな」

 二人は損傷を受けたメビウス・ゼロの前におり、何やら話していたようだ。気になるし聞いてみるか。

「どうしたフラガ大尉?マードックのおやっさんと何か話してたようだが」
「いや、修理の催促だよ。一応戦闘は終わったがクルーゼの奴がこのまま素直に引いてくれるとは思えないんからな」
「まあ、確かに」

 今回位のことで狙っているものを諦めるような性格の人間だったら人類滅亡の為に暗躍なんてしないだろうよ。

「…それよりもフラガ大尉」
「…どうした?」
「すまなかった。後を任されたっていうのに結局先遣隊は全滅して、オレは何もできなかった…」
「…別に謝らなくていいさ。俺が勝手に頼んだだけだし、先遣隊のことは仕方ないさ。せめて死んじまった奴らの分まで生き残ることを考えようぜ」
「…ああ」

 だが、オレは先遣隊が全滅するのを知っていた。全く面識のない人達ばかりだったが、それでもやはり終わってみれば見殺しにしてしまったことに後悔している自分が心のどこかにあった。
 …一般人ならこういう感情は持ってて問題ない。だがオレは傭兵だ。こんなことを似たような状況に陥る度に思っていたらとてもじゃないが心が保たない。それは頭ではわかってるんだが…未だに非情になりきれない自分がいる……非情になるのが正解なのかそれともこの感情はずっと持っていた方がいいのか…。このまま考え続けていたらそれこそ答えが出ない気がする。今は忘れた方がいいかな…

「しかしよ、ちょっと聞きたいんだがあの武器はもしかして…」

 マードックがオレのジンが持っている無反動砲に気付いて質問を投げかけてくる。オレは先遣隊の件を頭から追いやる為それに答えることにした。

「ああ、ご想像の通りだ。敵として戦ったジンの内一機から奪い取ってきたんだ」
「奪い取ってきたって……マジかよ…」

 ムウとマードックはオレの答えを聞いて、驚きと呆れの入り混じった顔でこちらを見つめた。いや、驚くならまだしも何故呆れられなきゃならないのか…

「お前…もしかして武器を奪い取る為にジンの相手をしたんじゃ…」
「…何故バレた」
「いや、そこは否定しろよ!…ジンの相手をするって言ってた時のお前の様子が不思議に思ってな。ヘリオポリス周辺での戦闘の時自分からG三機の進言したって艦長達に聞いてたから何かあるんじゃないかと思ったが…」
 
 …勘というか洞察力が凄いねこの人。やっぱちょっとニュータイプっぽい能力持って
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