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ダンジョンに英雄を求めるのは間違っているだろうか
プロローグ
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髪を触りながら俺に訪ねてくる。

「あれは俺の無礼です。お許しください」
「フフッ。まあいいわ。それより貴方は何者?」

突然何者かと尋ねられた。

「俺はただの人殺しで最低な野郎です」
「そうではなくて、どうして私の魅力が効かないのかしら?」

それを聞いたさっきの男の顔が少し歪む。
どういうことだろうか?

「いえ、確かにフレイヤ様はお綺麗ですが、なぜかそれ以上の感情が出てきません。すいません」

それを聞いた男が背中に背負っていた大きな大剣を抜き、俺を斬ろうとした所で、フレイヤ様に止められた。


「いいわ。あなたに興味が沸いたわ。貴方、私のファミリアに入らない?私の弟として、またそれ以上の関係以上に接してあげるわ。もちろん隣にいるオッタルといっしょ、幹部以上よ」

「その……お願いがあります」
「なにかしら?」

俺が願うもの……。
それは…。

「俺が殺した友人をここに置いて行っていいでしょうか?そして俺を冒険者にしてくれますか?」
「フフフフッ!!おもしろいわ!本当に貴方はおもしろい!」

腹を押さえながら笑う。
美の女神が涙を流すほど笑うのは初めて見た。
てか、そこまで笑うことか?

「いいわ!貴方のためならなんでもしてあげるわ!その代わりあなたも私に尽くしなさい。貴方を冒険者にもなんだってしてあげるわ!それでいいわね?オッタル」

「いいのですか?フレイヤ様がいいなら私は構わないですが……」

「なら決まりね。貴方の名前は何というのかしら?」
「俺の名はロイ・キャンベルです。よろしくお願いします。フレイヤ様。オッタル様」

俺はこれから新しい人生を歩む。
今までの俺はなしだ。
フレイヤ様やオッタル様、フレイヤ・ファミリアの皆さんと戦っていく。
冒険者として……。

「私のことはフレイヤお姉さんと呼びなさい。そうね、オッタルは……」
「俺はオッタル兄さんでいい。よろしく頼む。ロイ」

一瞬、神様をお姉さんなどという馴れ馴れしくしていいのかと思ったが、ここで反抗したらダメそうなのでやめとく。


「あ、はい。よろしくお願いします、フレイヤ姉さん、オッタル兄さん!」
「ええ、よろしくね」
「ああ」

一瞬、フレイヤ姉さんと、オッタル兄さんの顔が赤くなった気がする。
気のせいか……。

(さよなら……。俺は戦うよ……お前の分も)


俺はオッタル兄さんに担がれ、夜のオラリオを移動する。フレイヤ姉さんやオッタル兄さんが通った道には俺の小粒の涙が点々と落ちていった。







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