1部分:第一章
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大奥の中を細かいところまで見させて下さい」
まずはそうしてくれとだ。おなまは奥方に申し出た。
「それから少し考えさせて下さい」
「それからなのね」
「大奥の中をお花で飾るということでしたら」
どうかとだ。おなまは奥方に話す。
「華道の様にただ壺の中に飾るというものではありませんね」
「ええ、それこそ大奥そのものが壺になるのよ」
「でしたらです」
どうかとだ。おなまは奥方にさらに話す。
「まずは大奥全体を見たいのです」
「ここに入ってどれ位だったかしら」
「一年になります」
おなまが大奥に入ってそれだけの歳月がだ。既に経っていた。
「それだけになります」
「それだったらもう」
「いえ、一度見ただけではです」
どうかというのだ。
「わからないことが多いですから」
「大奥が?」
「大奥だけでなく他のこともです」
そうだとだ。おなまは背筋を伸ばして奥方に話す。
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