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英雄は誰がために立つ
Life6 湯けむり
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の意見には概ね同意するが、口が過ぎるのではないか?アーチャー」
 「そうかい?だがよ、セイバー。たった一つの祈りを自らの選択で反故にしちまう奴なんぞ、物好きって言われてもおかしくはねぇだろうが」
 「如何いう意味だ?アーチャー」
 「判らねぇのかい?ランサーのマスターは“魔術師”だろ。“魔術師”つぅー人種は基本的に、この現代の一般論視点で言う凶悪な犯罪者すらも可愛く思える程の、自己中心的の下種外道なんだぜ?そしてランサーのマスターである魔術師も例に漏れてねぇ。そんな人種に、ランサーの祈りも届くはずねぇし、“信頼”と言う名の報いも返ってくるわけねぇだろう。つまり、俺の言った“物好き”と言う言葉も結果論ではあるが、かな〜〜〜りオブラートに包まれてるっと思われても過言じゃねえ筈だがなぁ」
 「・・・・・・・・・・・・」

 今度のセイバーは、アーチャーの言葉に完全(・・)に同意してしまい、黙る事しか出来なかった。
 しかし、そんなアーチャーの言葉を完全に良しとしないのがライダーだった。

 「そこまでだ、アーチャー。如何にランサーの行為が時期尚早であったとしても、彼の選択だ。是ばかりは余人が立ち入っていい問題では無い」
 「そんな気は無かったんですがね。ま、旦那がそこまで仰られるなら、俺もこれ以上は口を噤むとしますよ」

 ライダーの言葉に素直に引くアーチャー。

 「さて、では私は此度の作戦において、キャスターと最後の打ち合わせをしてきますが・・・・・・アーチャー、共に来てください。地形把握の意味も込めて貴方の意見も聞きたいのですよ」
 「・・・・・・・・・・・・」

 アーチャーは二つ返事するかと思いきや、自分に頼むレヴェルでは無く、この陣営の王であるライダーに視線を送った。

 「よい。此度の策は緻密な連携が必要不可欠、気の済むまで軍議に勤しむがいい」
 「了解です、旦那」
 「全ては、真の太平の世の実現のために。アサシン、貴方も同行してください」
 「御意」

 そうして、転移陣の上に載った1人と2体はその部屋を後にした。

 「何が真の太平の世の実現だ。獅子身中の虫・・・・・死の商人風情がっ!」

 その部屋を後にしたレヴェルに対してセイバーは、吐き捨てるように罵る。

 「セイバーよ、口が過ぎるぞ?」
 「はっ・・・・・・申し訳ありません。しかし、戦争の扇動者風情から、真の太平の世の実現などと、胡散臭いにも程があるかと」
 「確かに一理あるが、時には大義を持たぬものを使わなければならない時と言うのは、必ず来るものだ。今は耐えよ、セイバー」
 「はい、王よ。全ては、大義――――悪魔共の支配を破壊して、虐げられている者達を救わんがために」

 セイバーからの本心であろう言葉に、頷くよう
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