Life6 湯けむり
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しょう?ライダーよ」
傅くように王と呼んだ英霊に聞くレヴェル。
その英霊には確かに、王と呼ばれるに相応しい、カリスマ性漂うオーラを纏わせていた。
「よい、レヴェルよ。確かに今回の策において、かの地の防備の強力さには疑問点を投げかけたい処ではあるが、所詮は予備的なモノ。本命の策が上手くゆけば大事なかろう」
頭にターバンを巻き、立派な口髭を擦りながら、今宵の策を咎めない様だ。
「されど、本命が仕損ずれば、偉大なる祖の名を辱める禍の団の英雄派や、妄執と意地汚さに何所までも没している旧・魔王派と、本格的に手を結ばなければならなくなる。この策を何としても成功させて、我らの戦力を増強させた後に、世の裏で跋扈し続ける“魔”共を一日でも早く一掃するのだ」
「お任せを」
「了解だ、旦那」
ライダーの力強く本心からのヴィジョンに、セイバー、次にアーチャーと返事をする。
セイバーは額にはちまきをして髪を侍のようにマゲしているが、月代はしていない。そして袴装束に刀を腰に帯びている。
アーチャーは、緑色の鎧の上から緑色の外套を羽織った青年だ。
「アーチャー!王に対して無礼であろう!」
「よい、セイバー。人には人の流儀があるのだ。そこを強制してしまえば、個性が消えてしまう。英霊であるなら全力を発揮できなくなる恐れもあろうからな」
「さっすがは、旦那!話が判るお方で助かるぜ」
「っ!」
ライダーからの許しがあったとはいえ、自分の想像上の英霊達の理想像とはかけ離れたアーチャーに、セイバーは表情に出さずとも不機嫌だった。
「アーチャーよ。確かに我は許したが、今の様な小事で不和たる状況を作ってくれるな」
「・・・・・・確かに、旦那の仰る通りですな。これからは少々自戒しますよ」
王たるライダーの言葉に、多かれ少なかれ思うところがあったようで、反省の色を見せるアーチャー。されど、セイバーは睨み続けていた。
勿論、セイバーの反応に気付いていたライダーは内心で溜息をつく。
(国もクラスも祈りも違えば主義主張まで別々など、判り切っていたが難儀よな・・・)
そこでライダーはある事に気付く。
「時にレヴェルよ、ランサーは何処に?」
「ランサーでしたら。召喚主の魔術師と一緒です。出来るならランサーのマスターを、キャスターの依頼品として使いたい所ですが、仕方ありません。契約ですからね」
「しっかし、あのランサーも物好きだなぁ。召喚者とは言え、今生の願いをかなえるためにあの魔術師に忠を誓うとはよ。俺だったら断然旦那を選ぶぜ」
ランサーの選択を見下すように皮肉るアーチャー。
「そ
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