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英雄は誰がために立つ
Life6 湯けむり
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ろ。私も今やリアス・グレモリー眷属の立派な一員、どんな事があろうと、悪魔(・・)には振るう気は無い!」

 それ以外には振るうのか?と突っ込みを入れたかったようだが、そこは自粛した。
 ゼノヴィアから放たれて、彼女の周囲を包み込む、剣呑なプレッシャーに気圧されて。
 そのまま一誠達の返事を聞かぬまま、ゼノヴィアも庭――――と言っても森も含まれているが、士郎の後を追う為に追跡からの尋問(散歩)に出かけた。
 ここに、ゼノヴィアと士郎による鬼ごっこ&かくれんぼが始まる。


 −Interlude−


 深夜の藤村邸は静まり返っていた。
 士郎の家族は全員就寝中だ。
 そんな静寂なる帳に無粋ではあるが、黒子のように夜闇に溶け込んでいたらしい痩せ細り目元には白い骸骨の面をした3対の怪人――――アサシン達が、三方向からそれぞれ音を立てずに、塀の瓦に着地する。
 彼らは、群であり個、個であり群故、打ち合わせなど無くとも瞬時に互いに何を考えているか位出来る。
 そのため、アイコンタクトや示唆による合図も無しに、そのまま庭に着地した――――いや、着地する前に、圧倒的存在からの非情な濃密の殺気を受けて、一瞬にして魔力の滓となって消えて行った。
 そして今、間諜の英霊の一部を、雑魚同然に音も無く消し飛ばした存在は上機嫌に尾を振っている。

 【ナポリタン♪ナポリタン♪――――】

 彼の存在は頭の中で、そんなキーワードを連呼していた。
 今日の夕食時に、アイリから明日の夕食はナポリタン宣言を受けてから、ずっと上機嫌なのだ。
 この藤村邸に居候する様になってから、アイリの作るナポリタンは第5位に入る好物らしい。
 そんな圧倒的存在の、ささやかな楽しみを邪魔し得る侵入者などには、この結果は必然と言えた。
 この存在がいる限り、士郎が留守であろうと、この藤村邸は難攻不落も同然だった。

 【――――ナポリタン♪ナポリタン♪ナポリタン♪ナポリタン♪】


 −Interlude−


 「っ!?」
 「如何しました?アサシン」

 此処は何所ともいえぬ怪しい西洋風の屋敷の一室。
 そんな屋敷に、ベストマッチした隻眼の男レヴェルと、およそ合わなそうな風貌のアサシンの核と言える存在がいた。

 「かの地に放った我が一部が全員、一瞬にて同時に消滅しました・・・」

 内心では腸が煮えくり返る事態ではあるが、それを一切として表には出さずに報告するアサシン。

 「・・・・・・・・・おかしいですね。今あの家には、藤村士郎や転生悪魔たちの不在の確定情報を入手したからこその派遣だったのですが・・・」

 わざとらしく――――いや、本当に疑問に感じているようで、真剣に考えているレヴェル。

 「如何しま
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