Life6 湯けむり
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ィアは、一歩下がる。
「それに別にずっとじゃないしな」
「え?」
「何を驚いているんだ?当たり前だろ。椿姫は、人の予定を自分のためだけに消化させる、勝手な奴じゃないからな」
ゼノヴィアは先ほどの自分発言を振り返って、居心地が悪そうに士郎から離れた。
しかし、当の本人である士郎は、何の含みも嫌味があった訳では無い素の発言であった。
「部長の座は交代済みとはいえ、未だに俺は立派な弓道部員だからな。秋の大会に向けて夏休みの間、弓道部の練習での指導役も頼まれてるし、他にもやらなきゃならない事もあるから、ゼノヴィアに開けてやれる時間は2日3日程度だな」
「そ、そうですか。そうですよね。それじゃあ、それでお願いします」
士郎の発言に罪悪感を感じ取ったようで、特に意見せずに提案を受け入れたゼノヴィア。
「――――如何やら、話はまとまった様だな」
そこにアザゼルが士郎に近づいて来た。
「ええ、まぁ」
そんなアザゼルに対して素っ気なく答える士郎。
「ずいぶんと俺に関心がねぇな?つうか、俺が来てから会うの初めてだよな?」
「ええ、そうですね」
「何だ、その感情の籠っていない返事は?こっちきてから思ってたが、お前さん。俺の事避けてねぇか?」
「気のせいです」
「だから、如何して俺との会話を、一言で済ませようとするんだよ」
「気のせいです」
「・・・・・・・・・・・・」
士郎からの感情の籠っていない対応に、何とも微妙な空気が満ちるリビング。
そこで、扉が開いてグレイフィアが入室してくる。
「皆様、温泉のご用意が出来ました」
「グッドタイミングよ、グレイフィア!」
「え、ええ、そうですわね」
只の報告に来ただけのグレイフィアは、縋りついてくるように瞬時に近づいてきたリアスと朱乃のアクションに、顔には出さずに軽く困惑した。
しかし、それ以上の大きな反応も無かったので、グレモリー城付近の庭の一角にある、日本の文化をまねて作らせた温泉に案内するのだった。
−Interlude−
「良〜い湯〜だな♪」
アザゼルは十二枚の黒翼を全開にして鼻歌を歌っている。
先程の何とも言えない気分を紛らわす為か、純粋に温泉の湯加減が良いからなのかは判らないが、兎に角気分がよさそうだ。
そんな堕天使総督殿と共に、一誠と祐斗も頭の上に手拭いを載せて肩まで浸かっていた。
「先生随分と気分いいな?」
「まぁ、グレモリー領の温泉地は、冥界内でも名泉中の名泉だからね?気分が善くなるのも判るよ」
「やっぱりそうなのか?道理で気持ちがいいなぁ〜」
蒸気で頬を赤く染めて、体の芯まで癒される感覚に酔いしれそう
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