マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0996話
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えそれがアクセルだったとしても、必ず後悔させるぞ!」
「ああ、当然だ」
アウルの言葉に、一瞬の躊躇なく頷く。
それを見て納得したのだろう。アウルは俺をその場に残すと、そのまま去って行った。
アウルの経歴を思えば、恐らくは美砂が初恋だったんだろう。
そう言えば去年マブラヴ世界でグアドループに旅行に行った時、男同士で集まって女の話題になった時があったが……確か、ムウがアウルには意中の相手がいるとか何とか言ってたな。
となると、もしかしてアウルは随分と前から美砂に想いを寄せていたのか?
そんな風に考えていると、ふとこちらに近づいてくる足音が1つ。
聞き覚えのあるその足音の主は、恐らく俺とアウルが消えたのを理解して探していたのだろう。
やがてその人物……美砂が姿を現す。
俺の方へと向けている視線は、どこか後ろめたい色がある。
「アクセル君、その……ちょっと探してたんだけど、ここにいたんだ」
「ああ。そっちはいいのか? 折角の花見なのに他の面子と楽しまないで」
「何言ってるのよ。折角の花見なんだから、アクセル君と一緒にいたいんじゃない」
小さく笑みを浮かべ、手に持っていた林檎飴を差し出す。
……俺は林檎飴を持ってきた覚えがないんだが。となると、四葉辺りが別口で持ってきたのか?
まぁ、それで何が悪い訳ではないので林檎飴を受け取って、2人揃って地面に座ってから口へと運ぶ。
舐めるのではなく、噛み砕くといった感じで水飴と林檎の味が口の中へと広まる。
そんな風にお互いが無言で林檎飴を食べる事、3分程。
花見の席から聞こえてくる歓声や笑い声を聞いていると、ポツリと美砂が口を開く。
「その、聞いた? アウルが……」
「ああ」
最後まで言わせず、美砂の言葉に頷く。
その言葉を聞いた美砂は、どこか慌てたように言葉を続ける。
「言っておくけど、アウルとは別に何もなかったんだからね。変な勘違いをしないでよ」
「分かってる」
呟き、隣に座っている美砂の肩を抱き寄せる。
「あ……」
一瞬小さく呟き、だがすぐに美砂は俺に身体を預けてくる。
柑橘系の香りが薄らと漂うのは、恐らく香水だろう。
その香りと共に美砂の肩を抱きながら、アウルの事を思う。
もしも俺と出会う前に美砂とアウルが出会っていたら……あるいは、この2人がくっついていた未来もあったかもしれない。だが、俺の方が先に美砂と出会ってしまった以上、既にその未来は存在しない。
もっとも、俺がネギま世界に転移していなければ、アウルと美砂が出会うといった事もなかったんだろうが。
せめてアウルには、誰かいい相手が出来ればいいんだけどな。
「アクセル君、私……幸せだよ? アクセル君に出会って、普通の
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