『世界断絶』−finish next history−
lost story1−『傲慢』−
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
舌を伸ばしているではないか。
重力の流れに全力で逆らい、自らの肉体の時を加速させる。
一気に離れ、ブラックホールの時を止めようと──
「『停滞する時の歯車』」
──時は、動き出す。
目の前に現れた巨大な隕石は、ワールドを押し潰すが如くに世界を隠した。
「ッ??『world time』!」
時は今一度停止する。
隕石は静止し、ワールドはその場から離れ、隕石の時を巻き戻す。
巻き戻された巨大な岩塊は、空間から何事もないように消え去った。
──パチ、パチ、パチ。
手を打ち合わせるような音が、場に響く。
「……誰だ?」
空間を捜査し、自分の背後に居る存在に向けて、問い掛ける。
「……いやはや、人間の分際で我と同じ『時の世界』に入るとは、奇跡とは恐ろしい物だな」
「──お前は……ッ!」
「アルヴァート・ルーク・マレイド・エイトナイト。貴様とは初めて相見えるな」
「……随分とキャラが違うな、ルークさんよ。違う意志を持った別個体か何かか?」
「察しが良いな。我は『アルヴァート・ルーク・マレイド』の一部。時空を操る絶対の王だ」
毒々しく、しかし美しい、矛盾のある白銀の髪。焼け野原を映しているが如く紅蓮に輝く瞳。世界の闇を濃縮したかの様な漆黒のマフラー。同色のコート。
その細い体から発せられる威圧感は、《滅び》達とは比べ物にならない。
しかし何より奇怪なのは──
「……どういう事だ……?この世界の時系列にこんな奴は……」
ワールドは時を操るというその能力上、未来に起こるあらゆる出来事を把握している。
遥か先の未来はこの世界が直接フィルターを掛けている様なので分からないが、近未来程度なら簡単に知れるのだ。
だが
この存在は、ワールドの知る未来には存在しなかった。
──否。
『存在してはいけなかった』
何故ならば──
「さて、虫ケラ。貴様はよりにもよって我の目の前で、我と同じ力を使った訳だが……──覚悟は出来ているな?」
ワールドが別の世界で『観た』未来によれば、コイツはワールドの知る『天宮陰斗』と同じく、『自らは唯一無二』という事を絶対的に信じているからだ。
噴き出す死の予感。溢れ出す『絶対』の気配。
『8番目』は、その『力』を紡ぎ始めた。
「今此処に、王なる我が名の下に神罰を下す。
──"この世界は我が庭である"──
|──"我は永久に不滅"──《Lets impler
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ