Episode of Tabasa 臆病者-オリヴァン-part1/変心する嫡子
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のヴィリエからタバサと一緒に嫌がらせを受けたことがある。とはいえ、キュルケは自分に非があっても彼らに対して『そんなだから自分にたやすく恋人を取られるのだ』と見なし、逆に返り討ちにしてやったことがある。いっそ彼女たちを裸にして翌日の朝教師一同に見られて恥をかかせてやったように、あのイザベラにも同じことをしてやりたいほど機嫌を損ねていた。
が、これ以上あんな屑女一人のために苛立ってもせっかく保たせているこの美肌にしわが残ってしまう。違うことを考えよう。
「タバサ、それに書いてあった任務っていったいどんな内容だったのよ?」
そうだ。これから愛する母のために孤独に戦い続けてきた親友タバサのために任務の手伝いを買って出たのだからそのことを考えればいい。キュルケはタバサに今回の任務の事を尋ねた。
さあ、どんと来い。友のためならこの微熱のキュルケ。地獄の業火だって…!!
「ガリアの魔法学院の不登校児を学院に登校させる」
「…………え?」
親友であるタバサのために命を持駆けるつもりだったキュルケは、予想外な任務の内容に目を丸くした。
タバサが立ち去った後のイザベラは自分の寝室にて、着こんでいた上等なドレスをしわだらけにしながらゴロンと寝転がった。
「ったく…いくら退屈だからなんとかしてって言ったら、北花壇警護騎士の団長?そんなものに甘んじていられるわけないでしょ!」
彼女は王女という何不自由ない生活を送っている。一般人から見ればとてもうらやましいものだが、彼女は起きて豪華な料理を食べて後はだべっているだけの毎日に退屈していた。とはいえ、だからって王女という身分を投げ出してまで外の世界に興味を持つ気はない。下賤な民と同じ世界を見るなんてまっぴらだし、今の王女故に贅沢な生活にとことん甘えきっているのだから当然だった。
ここで一つ解説を入れよう。『北花壇警護騎士』とは、ガリア王家に仕える騎士団の一つだ。ヴェルサルテイル宮殿の豪勢で美しい花壇に因んで東西南北の四つの騎士団が存在する。が、宮殿の北には花壇がない。よって表向きには、かつてシュウの世界の防衛組織『TLT』がそうであったように、タバサの所属させられている北花壇騎士団は存在していないことになっている。表沙汰にできない王家の汚れ仕事を引き受け秘密裏に処理するのがこの闇の騎士団の役目だった。
「父上ったら最近はこれまでにないほどおかしいわ。ここしばらく娘である私にちっとも会いに来ないし、使い魔にしているっていう『あの女』と一緒になってからは拍車がかかってるし…あ〜〜もう!退屈よ!!」
すぐそばに侍女がいるというのに、彼女はベッドの上でゴロゴロと寝返りを打ちながらくだらない愚痴ばかりをこぼしていた。
「…ご退屈なら、ゲームでも…」
近くの侍女は恐る恐るイザベラに声をかけた。
これ以上機嫌
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