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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
Episode of Tabasa 臆病者-オリヴァン-part1/変心する嫡子
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これはちょうど、ルイズたちがアンリエッタの頼みでトリスタニアの街に繰り出し、魅惑の妖精亭で働いている間の期間の出来事…。
補則をつけると、タバサがガリアへ帰省しキュルケがそれについてきて、ラグドリアン湖での戦いに巻きこまれるまでのことも含めての出来事だった。


「…っち」
ガリアの空を、一匹の風竜が飛んでいた。その背に乗っているのは、風竜シルフィードのご主人様である少女、雪風のタバサ。そしてもう一人は彼女の親友である微熱のキュルケ。
いつも通りの無表情のタバサに対し、その日のキュルケは酷く不機嫌そうだった。本来なら彼女自身、歪んだ顔はしわの元にもなるからなるべく避けておきたいのだが、今度ばかりはそうはいかないほど機嫌が悪かった。
それは数刻前、タバサが今回の任務の概要を聞くためにプチ・トロワを訪れた時の出来事が原因であった。


ハルケギニアの中で最大級の都市であるガリアの首都リュティスの東の端に、ガリア王家の住まう宮殿、ヴェルサルテイルがある。森を切り開いて美しく規模の大きい荘園が特徴だ。宮殿の中央部に『グラン・トロワ』が点在し、ガリア王ジョセフ一世が政治の杖を振う。そこから離れた小さな宮殿にプチ・トロワが点在している。
そのプチ・トロワを、シルフィードに乗って訪れたタバサとキュルケだが、謁見の間にて…。
「やっと来たか。人形娘」
年齢は外見から見て17歳ほど。青い髪と瞳、タバサと似た容姿を持っておきながらその顔には苦労知らずで粗暴さを体現した王女が、口汚く言葉を吐いた。王女はキュルケを見ると、はっと鼻で笑う。
「一著前にお友達なんかつくったのかい?いや、違うね。どうせ人形娘を愛でてやることで、自分はなんて優しいんだってうぬぼれに心酔してるんだろ」
キュルケはその王女の言い草に、激しい憤りを覚えた。
なんなのだこの女は!こいつが、タバサの親族だというのか。
信じられないだろうがその通り。この女はジョセフ一世の娘であるガリア王女のイザベラ。性格は、見ての通りとても王女にはふさわしくない、地球でもクラスに一人いるかもしれない地味だったり人見知りな子がいたら、真っ先に嫌がらせを働くタイプの女だった。
だが、キュルケは抑える。この女は仮にもガリア王女。逆らったら自分だけじゃなくタバサや、彼女が必死に守ろうとしている母親の立場も今以上に危なくなってしまう。
一方で、タバサは跪いたままいつも通りの無表情を貫いていた。キュルケはそれを横目で見て、不服に思った。この子はなんとも思っていないのか?いくら王権を剥奪されたからって、何か言い返したいことがあるはずだし、それが大概の人間の顔に現れることだってあるはずだ。が、彼女は数日前にオルレアン邸でペルスランに教えられたタバサの過去を、その夜母の心を奪われた時の夢を見ていたタバサが寝言で母
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