家〜「G」
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か亜美!?待ってろ!今ボイスレコーダー持ってくるから」
「いやなんでよ!?そんなことよぁぁぁぁぁぁあ動いだぁぁぁ」
くそっ!すでに亜美は見つけてしまったか‥‥。今はボイスレコーダーより亜美を助ける方が先決だな。
「早く助けなさいよゴミ兄!!」
ゴミ!?兄ちゃんゴミ!?
これを機に亜美にはちゃんと「お兄ちゃん」って呼ばせるか。
「俺のことちゃんと《お兄ちゃん》って呼んだら助けてやらんこともないぞ」
「何言ってんの早く助けなさいよ!!じゃないとカス兄が夜な夜な永遠と女の子の声を聞いてたってお母さんに言いつけてやるんだから!」
「‥‥‥」
あれ?ばれてた?イヤホンして完璧だったつもりなのに‥‥。でも、まだ俺が妹の声フェチだってのはばれてないから大丈夫だ!!それくらいの情報の漏えい屁でもねえわ!!
いけG!妹に粛清しろ!すてみタックル!
「何してんの早く!!私の声を盗聴してたことも言うからね!!」
「よしきた!」
何もかもばれてた。盗聴ばれてた。さすが亜美さんかなわねえや。
俺は妹に近づくGより早く亜美を助けに猛ダッシュをする。
「ひぃぃぃい!!ゴキ兄も黒光りするGも来ないで!気持ち悪い!」
「おいちょっと待てや」
俺はとっさにGが動きを止めたのを見計らって一旦リビングに戻り、あるものを手にもって玄関でブルブル震えている妹の目の前にかっこよく参上した。
「Gジェット!?早く吹きかけて!!殺して!」
「残念だが‥‥。吹きかけんのは俺じゃない。亜美だ!」
「それボイスレコーダーじゃねえか!!どさくさに紛れて何録音しようとしてんだ!Gジェット二匹にかけんぞ」
「さっきの《ひぃぃぃい》頂いていいか?」
「今!?」
フッ。わかってねえな。俺が亜美をかばう形でGと亜美の間に入ったのにまだ気づかないのか?
「俺は本当は妹想いなんだぜ」
「お兄ちゃん‥‥」
俺は玄関に立てかけてあった虫取り網を手に取りGに立ち向かった。
さながら親愛なる恋人を守る勇者のように。
「おりゃぁぁぁぁあ!!!」
「お兄ちゃんやっちゃえ!」
俺はこの時、事故る前の走馬灯のように、脳が凄まじいほどの回転をしある一つの記憶が蘇った。
そういえば、Gは生命の危機に瀕した時、基本的に高い悲鳴をあげる女性に向かっていきやすいって聞いたことがある。
ブブブブッ
おい嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ!!
Gは真っ黒な羽を羽ばたかせながらこちらに向かって飛んできた。
俺と亜美はそれを紙一重でかわしたが、耳に野太い羽音が残り全身の身の毛がよだつ。
ごめん。勇者になんてなれなかった。守れんかった。
「いや!いや!いや!きゃあ!」
「うわっ!おい暴れるな」
ドンッ
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