休日〜「妹」
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が見当たらないな。もう仕事行ったのか?
くそ!すでにこの場は亜美に支配されてしまってんのか。うぜーまじうぜー!「妹ラン」のヒロインの様に可愛くも素直でもないくせに偉そう口叩くな!
同じ「亜美」でもこうも違うのか!
二次元と三次元は!!
でも俺はそんな亜美を極度に嫌ったりはしない。
本当は亜美はツンデレなのだ。
「パン食べるスピード遅すぎんのよキモ」
今はまだツンツンしてるけど、デレさせたら大したもんやぞ!
「ポロポロパンカス落とすな」
うちの亜美は顔は普通だけど、声は天使の様に可愛い。俺が妹系のゲームにはまったのは亜美が原因だ。
勿論、「妹ラン」のヒロインが亜美って名前は偶然で意識したわけじゃない。
「ごちそうさま。キモ兄さら洗っといて」
くっ、こいつ本当に兄を雑用係と認識してんな?でも我慢だ。亜美のデレがくるまで。
「家引きこもってんだからガス消しとけよ。どーせ使わねえだろ」
こい!
「うっわ馬鹿兄の靴くさ死ねよまじ」
デレろ!
シュコーッ
「まだ臭兄の靴臭い。消臭剤に打ち勝つくささってなんなの?」
いけ!
「帰ったら靴捨ててやろ。じゃあ、お兄ちゃん行ってきます!」
きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
お兄ちゃんだって!行ってきますだって!ウォォォォオ!!あの声で言われちゃたまんねえな!
ちゃんとボイスレコーダーに録音もできたし、後で永遠とループさせ聞いてやろう。
「よし。ひとまず皿洗うか」
俺は2人分の皿洗いを行うことにした。
亜美は挨拶の時だけ礼儀が正しいから、俺はそれをデレタイムと呼んでいる。
いつも俺のことは「馬鹿兄」「キモ兄」「臭兄」など卑下してくるが、デレタイムの時は必ず「お兄ちゃん」と呼んでくれる。
なぜかはわからないけど、きっと毎日言ってる言葉で反射的に出てしまうのだろう。
それがツンデレの定義に当てはまるものなのか微妙なのだが。
「お兄ちゃん行ってきますお兄ちゃん行ってきますお兄ちゃん行ってきますお兄ちゃん行ってきますお兄ちゃん行ってきますーーー」
永遠とループされる亜美の先ほどの声に癒されながら、皿洗いを終え自分の部屋に戻り「妹ラン」の続きを始めることにした。
「お兄ちゃん行ってきますお兄ちゃん行ってきますお兄ちゃん行ってきますお兄ちゃん行ってきますお兄ちゃん行ってきますーーー」
俺は休日だけのこの密かな癒しをひとり静かな部屋で楽しむ。
俺は亜美の声のせいで人生を狂わされたと言っても過言ではない。
今日も俺は日々の疲れを「妹ラン」でとっている。
「俺‥‥後少ししたら犯罪とかしちゃいそうだわ」
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