故郷
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には一体どういう意図があるのだろうか?
「おまえ達には少し心苦しいかもしれないが、これはマキナが自分でやろうと思った事だ。だからマキナが自らの力で為し遂げるべきであって、外野は必要以上におせっかいを焼くべきじゃない」
「あ〜なるほど……そういう事でしたか。要するに合コンで例えるなら場を整えるまでが僕達の役目で、付き合えるまで仲を深めていくのは当人達の努力という事ですね。わかりますわかります」
「あの、ユーノ……なぜ合コンで例えたんだい……? だけどユーノの言った事はまさにその通りだね。11年前の事があるから私では無理だし、ユーノは遺跡調査の協力者として見られている。そもそも次元世界出身だと、この世界を傷つけた関係から溝がどうしても生まれてしまう。兄様は世紀末世界出身だから少し特殊だけど……現状、心に染みついた孤独からシャロンを救えるのは、幼馴染みのマキナだけだから」
『……みたいだね。厳しいけど、サバタ様は私とシャロンの事をちゃんと考えてこう言ってくれたんだ。教えてくれてありがとう、皆。私……頑張るよ』
兄様の意図を把握して、マキナは気合の入った握り拳を固める。それにしても兄様は時折父親のように振る舞う事があるが、それは両親を失った主はやてに親代わりの愛情を注いだ感覚がそうさせているのかもしれない。
「さっきシャロンは、少し外でやる事があると言って家を出た。丁度良いから二人だけで話したい事があるなら、追い掛けてみたらどうだ?」
『わかった、行ってみるよサバタ様!』
そう言うなり、マキナは家を飛び出していった。その姿を見送った兄様は、シーツを整えたベッドに横たわり身体を休めた。先程の件があるから兄様は座して待つ、という姿勢を貫くつもりのようだ。
「……気になるなら行けばいいぞ、ネロ。俺は別に手を出すなとは言っていないのだからな」
「僕はまだ明日の作業が残ってるからここに残るね。でもリインフォースは行って来たらどうだい? 多分何もしないでいるよりは良いと思うよ」
「……わかりました。では私も行ってまいります」
二人に背中を押された事で私はマキナを追い、屋外に出る。夜の冷たい風が頬を撫でるが、鍋料理で温まった身体には丁度良い涼しさだった。ただ、マキナはシャロンの所へ行った訳だが、そもそもシャロンはどこに向かったのだろうか?
「La〜♪♪」
ん? この声はシャロンの? 聞こえてくる方向は、音の響きからして高台からのようだ。街を見渡せる高台の方へ誘われるように歩いていくと、そこでマキナが見守る中、川のせせらぎのように安らぎを覚える声で綺麗な旋律の歌を歌っているシャロンの姿があった。
「……美しいな。まるで心が洗われるようだ……」
思わず呟いた感想だが、驚いた事にそれに返事を
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