episode4 ーDancing Of Harpieー
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対する抵抗が弱っていたのか、発作は早速レンカ一人の力では収拾がつかないほどまで悪化していた。
そして、床へとしゃがみこみ喘ぐレンカを冷静に見据える人物が一人。今回のレンカの対戦相手、孔雀 舞。
(なるほどね。……あのお節介が伝えたかった事はこれね。)
舞の脳裏にデュエルが始まる前、偶然に出くわしたレンカのマネージャーと名乗る女性が言っていた言葉の意味を理解する。
ーーレンカさんの事よろしく頼みますね。とっても繊細な子なので。けど、普段はとっても可愛いんですよ!居眠りしてる時とかですね……ーー
と、同時にいきなり恋人自慢の如く有無を言わさずマシンガントークを放ってきたあの女に対する殺意がぶり返す。
しかし、現在の状況は舞にとっても、よいわけではない。おそらく、このまま放置すればレンカは試合続行不可能となり、舞の勝利となるだろう。だが、わざわざ遠く離れたアメリカから来ているのだ。そんな勝ち方で納得できる舞ではない。むしろ、歴代の決闘者に名を連ねる者としてのプライドが許さない。
(そもそもこんな不完全燃焼で終われるわけ、ないじゃない!)
すぅ、と大きく息を吸うと
「あんた、いい加減にしなさい!」
舞からの叱咤がレンカへと向かって放たれる。
「……えっ?」
思ってもみなかった言葉にレンカは苦しそうに胸元を抑えながらも舞を見上げる。
「あがり症だが、コミュ症だか知らないけどデュエルできないなら、この舞台に立つんじゃないわよ!」
「…………くっ??」
舞は表情を歪めながらも睨みつけてくるレンカを確認し、少し安堵する。
(ふん、一丁前に決闘者ととしてのプライドは持ってるってわけね。だったら、これくらい気合でなんとかしなさいよ!)
レンカの怒りを煽るため、尚も言葉を続ける舞。
「こんな事くらいでへこたれる決闘者にその『真紅眼の黒竜』はふさわしくないわよ!」
「…………くっ。ふざ、……、なっ。」
喘ぎ苦しそうひしながらも、怒りの言葉を吐露するレンカ。
怒りで緊張を忘れさせる。これが舞が考えた方法。無謀な賭けだが、舞は上手くいくと確信していた。
「へぇ、「ふざけんな」、ねぇ。だったら、私を倒してみせなさいよ。
私の知る『真紅眼の黒竜』使いのあの城之内はどんな不利な状況に追い込まれようと、例え神のカードを前にしようと絶対に諦める事だけはしなかったわ。
同じレッドアイズ使いなら、それくらいの凡骨精神魅せてみなさいよ!!」
「くっ!!……さんを、……って、いう、な!」
途切れ途切れに発せられる言葉は着実にレンカが克服しようとしているのを表している。そして、尚もレンカを挑発する舞。
「な〜に?何言ってるか、聞こえないわよ。」
「っ
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